FX・外国為替証拠金取引/まずはFXの投資スタイルを決めよう

FXでチャンスを失わないための資金管理

FXで失敗する人でよく見かけるのが、自分の資金力の限界までポジションを持ち、大きく損をしてしまうケースです。こうして資金力を失うと、次にチャンスが到来しても、損失を取り戻すためのポジションが持てません。したがってポジションを持つ時は、常に余裕資金がある状態を確保するのが肝心です。

内田 まさみ

執筆者:内田 まさみ

FXガイド

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最大レバレッジで強制ロスカットされると……

FXは常に余裕資金をもってトライするようにしよう

FXは常に余裕資金をもってトライするようにしよう

手元に100万円の現金がありました。これを証拠金にしてFXを始めたとします。投資対象は米ドル。レバレッジは25倍。1ドル=85円でドルを買うと、ポジション総額は約29万ドルになります。もし、この状態で1ドル=82円24銭まで円高が進んだら、どうなるでしょうか。

建てているポジションを29万ドルとして計算すると、1ドルにつき2円76銭の損失ですから、全体の損失額は80万400円。ポジションを建てるのに用いた100万円の証拠金に対して、含み損が80%を超えているので、この時点で強制ロスカットされ、ポジションを一旦清算することになります。結果、この損失額が証拠金と相殺されるので、口座の残高は19万9600円になってしまいます。

ここまで証拠金の額が目減りしてしまうと、今度はなかなか損失を取り戻すのが難しくなります。残金が20万円として、これに最大レバレッジをかけたとしても、1ドル=82円24銭で買える米ドルは6万797ドル。もし、最初の証拠金額である100万円まで回復させようとしたら、13円15銭幅で円安が進まなければなりません。つまり、82円24銭が95円39銭にならないと、最初の元本である100万円を回復できないのです。

1度か2度でもFXのトレードを経験された方なら、きっとお分かりいただけると思うのですが、短期間のうちに、これだけの幅で為替レートが動くというのは、よほど大きな材料が出た場合に限られます。

昨今のケースで言うと、この3ヶ月間で米ドル/円は10円幅で円安になりましたが、これだけの短い期間で、ここまで為替レートが動いたのは、本当に久しぶりです。それだけ「アベノミクス」が、マーケットに大きなインパクトを与えたということです。

逆に、それだけ大きなインパクトを与える材料というのは、めったに出てきませんから、一度、大きく損をすると、それを取り戻すためには、かなりの時間を要することになります。

FXは強制ロスカットされたら終わり

前出の事例は、2円76銭の動きで生じた損失を取り戻すのに、13円15銭の値動きが必要であることを意味しています。これだけの値幅を取り戻すのは、非常に大変なことです。つまり、強制ロスカットされてしまうと、復活は非常に困難になります。

そのような事態に追い込まれないようにするためには、そもそもレバレッジを掛けないというのがひとつ。そしてもうひとつは、常に潤沢な現金を持ち、含み損がある程度大きくなったら、証拠金を追加して担保力を高め、相場が戻るのを待つという方法もあります。

為替レートは一時的に大きく動いたとしても、しばらくすると、また元の水準に戻る性質があります。仮に、証拠金の担保余力が一時的に低下したとしても、そこで証拠金を追加して担保余力を高めれば、為替レートが元の水準に近いところまで戻るのを待つことができます。特にレバレッジを高めてトレードする場合は、強制ロスカットされるのを防ぐために、出来るだけ潤沢な現金を用意しておく必要があります。
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