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これほど艶やかな祭りは知らない「盛岡のさんさ踊り」

東北の夏祭り「盛岡さんさ踊り」は、スピードがあり、艶やかであり、力強さもあり、音量もあり、踊り手たちが、順々に目の前を通って行くのが素敵です。

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ギネスに認定されている一万の太鼓の祭り「盛岡さんさ踊り」

 

 

東北の夏は短い分、夏の祭りは盛り上がります。「青森のねぶた祭り」「秋田竿灯まつり」「仙台七夕まつり」を東北三大祭りと呼びますが、三大やら五大など指の中で収まらない数の夏まつりが行われています。

「盛岡さんさ踊り」もそのひとつ。県庁前の通りがパレードのメイン会場になります。岩手山を遥かに望む北上川に架かる開運橋は、どうっと見物客が渡っていきます。

街は自転車に太鼓を乗せたり、鮮やか浴衣にタスキ掛け、そして太鼓を前に括りつけた踊り手が三々五々集まって来ます。駐車の片隅では車のハッチバックを開け、最後まで太鼓を練習する姿もなにか新鮮です。歩道の縁石には多くの観客が腰掛け今か今かとパレードの始まりを待っています。

さて、さんさ踊りが始まりました。メインスタンドの側の歩道の4列目くらいに立って、観客の頭越しに見始めました。ちょっと見て、どこかの小料理屋に入り、遠くに太鼓の音が聞こえればいいかなくらいに思っていたのですが、思いのほか、さんさ踊りのパレードが面白い。

ギネスに認定されている一万の太鼓の祭りは、スピードがあり、艶やかであり、力強さもあり、音量もあり、踊り手たちが、順々に目の前を通って行くのが素敵です。これほど艶やかな祭りは知りません。

さんさ踊りは今年35回目で歴史の若い祭りです。それ以前は各町内で行われていた念仏踊りを一つにまとめたイベントで、三十三の踊りがあるので「さんさ」と言ったとも。

掛け声は「サッコラチョイワヤッセ」。藩政時代から受け継がれてきた念仏踊りの起源は、三ツ石伝説に由来しています。南部盛岡城下に羅刹鬼(らせつき)という鬼が現れ、悪さをしてあばれていました。困り果てた里人たちは、三ツ石神社に悪鬼の退治を祈願し、神様はその願いを聞き入れて悪鬼たちをとらえ、二度と悪さをしないよう誓いの証として境内の大きな三ツ石に鬼の手形を押させました。

ちなみにこれが「岩手」の名の由来です。鬼の退散を喜んだ人たちは、三ツ石のまわりを「さんささんさ」と踊り回ったのが「さんさ踊り」の始まりだと言われています。太鼓は7~9万円前後で販売しています。踊り手の手の動きは「パラパラ」ダンスにどことなく似ているのも愛らしい感じです。


■さんさ踊り
開催場所:岩手県盛岡市中央通 
開催日時:毎年8月1日~4日      
ホームページ:さんさ踊り
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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