江戸時代からの深川宮川の暖簾分け「つきじ宮川本廛」
地下鉄日比谷線築地駅から、築地本願寺に背を向け銀座方面に歩く。築地三丁目の交差点を曲がった先あたりから、うなぎを焼くこうばしい香りが、周囲に広がっている。この匂いに誘われるのだ。創業は明治26年(1893年)、深川のうなぎ専門店「宮川」で修業をした初代店主が、深川宮川の廃業を受けて築地橋東詰めにうなぎ屋を開業したのが、この「つきじ宮川本廛(みやがわほんてん)」なのだそうだ。
その後、暖簾分けがすすみ、戦後つきじ宮川のれん会が発足、首都圏の宮川の総本山として現在も続く老舗だ。ちなみに、四代続いた深川の宮川の暖簾は「つきじ宮川本廛」が継承するが、建物は宮川曼魚という文人が買い取っている。
酒の肴、一品料理も充実している
入口は厚みのある木製の引き戸、中に入るとホテルのフロントのような窓口があり、2階へ行くようにと案内される。2階は10卓ほどのテーブル席だ。メニューには、うな丼・うな重とあるが、うなぎ・ご飯の量が同じで器だけが違うとのこと。イロハニで値段が変わり、うなぎの大きさが違うのだそうだ。うまき、うざく、肝焼き、といったうなぎ料理をはじめ、柳川・刺身・焼鳥などの一品料理も充実。“いかだ”は要予約とのこと。半身のお重と吸い物・香の物が付いた、ランチうな重2415円もある。うな重ハ3780円(肝吸いは別料金)をお願いする。あっさりした蒲焼だが、脂のノリもよくボリューム感がある
待つこと25分、うな重登場。皮は柔らかく、やや厚めで弾力があり、脂のノリもよい。身はやや厚め、柔らかくトロッとした身だ。ご飯はかための炊き加減で、タレは甘辛薄めであっさりした蒲焼に仕上がっている。卓上には継ぎ足し用のタレ瓶もおいてあるので、自分でタレ加減ができる。肝吸いの肝は、クニュっとした食感で塩分控えめな出汁。気さくな接客で、親しみやすい老舗鰻屋である。■つきじ宮川本廛(みやがわほんてん)
住所:東京都中央区築地1-4-6 宮川本店ビル
電話番号:03-3541-1292
営業時間:ランチ11:30~14:00、ディナー17:00~20:30
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.unagi-miyagawanorenkai.jp/
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