家庭とは、小さな社会である。
家庭の中で学ぶべき社会性もあるのです。
「親とうまくいかない人は社会に出ても上手くいかないよ」そんなことを、言われたことはないでしょうか? 親子関係がうまくいっていないときにこんなことを言われたら、それこそ絶望的な気持ちになる。そんな経験はありませんか? 実はこれはあながち嘘でもないのです。
というのは、家庭というのは子どもが初めて経験する「小さな社会」だからなのです。子どもはまず家庭の中で社会性を身につけていきます。このときに「社会で起こるトラブルを解決する力」の身につけ方を間違ってしまうと、のちのち社会生活で困ることが起こってくるという考え方があるのですね。その観点から見ると「親(社会にいる人たち)とうまくいかない人は社会(実社会)に出ても上手くいかないよ」ということなのでしょう。
家庭は社会には色々な人がいる、ということを学ぶ最初のチャンス
とはいえ、社会には色々な人がいます。そして、どう頑張っても気が合わなかったり理解できなかったりする人もいるでしょう。反面教師という役割を持って親になった人もいるかもしれません。でも、それに気がつくのは子どもがずっと大きくなって自分なりの価値観が固まって、生きにくさや息苦しさに気がついてからでいいと思うのです。というのは、いま自分がしていることが子どもの最善であるかどうかは、子どもの人生がある程度固まってくるまではまったくの未知数だからであるというのがわたし個人の考え方にあります。それは、多くの母子や、親子関係に悩む多くの母子を見ていて「あとになって『こんなはずじゃなかった』と判ったときにどう修正していくかこそが本当の家庭の姿であるのではないか」といった疑問が頭をもたげる瞬間があった経験から得たものです。
つまり、小さいときから「家庭の中とは、子どもが最初に出会う社会である」という観点で子どもと接していたら、きっとなにか違ったかもしれないということは、いくらもありますよ、ということを皆様に頭の端っこでいいから覚えておいて欲しいとわたしは思うのです。
子どもが最初に出会う社会として家庭ではどのように子どもを迎え接していったらいいのでしょうか?