企業年金・401k/401k(確定拠出年金)の基礎を学ぼう

個人投資最強の401k税制メリットを理解しよう

確定拠出年金(401k)の税制メリットは、個人が資産運用を行う上では最強といえる優遇となっています。仕組みを簡単にご紹介します。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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401k制度の税制メリットをチェックする

確定拠出年金(日本版401k)は老後資産形成のための強い味方となる制度です。会社が導入する企業型401kは退職金・企業年金の一部として、個人が任意で加入する個人型401kは個人の老後資産形成として、それぞれ利用が進んでいます。両制度の利用者は既に450万人とみられています。

確定拠出年金の大きなメリットは税制上の優遇措置があることです。これは、公的年金水準が引き下げられていく中で、自分で自分の老後に備える仕組みを支援する考えで設けられたものです。この税制メリットは個人が資産運用をする視点でみると、他にない強力なもので、おそらく国内最強の税制優遇です。

しかし、確定拠出年金の税制メリットについてあまり意識していない人が多いようです。少し、税制優遇の内容について整理をしてみましょう。

積み立てたとき、運用で儲かったとき、受け取るとき
すべて優遇!

確定拠出年金の税制優遇は次の局面で得られます。「拠出時」「運用時」「受取時」の3つです。

「拠出時」とはつまり、掛金を積み立てた段階の税制優遇です。会社が出した掛金も、本人が出した掛金も、まったく税金がかかりません。本人が掛けた分は自分で自分の老後のために積み立てた分、節税になるわけですから、こんなにおいしい話はありません。

「運用時」とは、運用によって得られた利息や収益分配金、売却益における税制優遇です。通常、利息や売却益など運用で得た収益には20%の課税がされます。0.04%の定期金利ですら0.032%の手取りになります。確定拠出年金ではこれがまったく課税されません。投資信託で10%儲かれば、手取りは8%ではなく文字通り10%儲かるのです。どんな税制優遇もこれ以上のメリットはありません。

「受取時」とはつまり、年金ないし一時金として老後に受け取る場合の税制優遇です。年金払いでもらえば公的年金に準じた税制優遇(公的年金等控除)により、一時金でもらえば退職一時金に準じた税制優遇(退職所得控除)により、それぞれそのまま受取るより課税額が少なくなります。これもおいしい話です。

マッチング拠出にも同等の優遇が得られる!

ところで、2012年1月からスタートしたマッチング拠出制度を利用すると、税制優遇がさらにフル活用できます。これは、企業型401Kにおいて会社が負担する掛金が毎月の限度額を下回る場合その差分を個人も積立できるものです(かつ、会社負担掛金を超えない範囲で)。

先ほどの「拠出時」の非課税により、自分の老後のための貯金が自分の節税になるだけでなく、「運用時」の非課税により、普通に預けたり運用するより有利に資産形成ができます。

企業型401Kを導入した会社のおよそ10%がマッチング拠出も可能な仕組みとなっており、利用できる場合、税制メリットをフル活用したいところです。

>>試算してみると254万円もおトク? 次ページで見てみましょう。

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