ビール/ビール関連情報

バレンタインデーにはチョコレートビールを!(2ページ目)

色も香りも味わいもまるでビターチョコのようなビールが注目されている。チョコが苦手な男性へ、ビール好きな男性へ、チョコ好きの自分のために一本…とバレンタインデーをきっかけにリピートする人が増えている。チョコビー人気の火付け役ともいえるサンクトガーレン・ブルワリーを訪ねた。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

日本地ビール解禁の扉を開けたサンクトガーレン

砕かれた麦芽

まずは、麦芽は細かく砕かれ、お湯と一緒に麦汁となる。

サンクトガーレン(有)の創業は2002年。しかし、岩本社長の地ビールキャリアは25年になる。

1970年代、岩本社長の父上が日本では当時珍しかった飲茶店を経営しており、1980年代にサンフランシスコに出店した際、アメリカのクラフトビールのおいしさに出会い、感激。伸久氏も現地店の手伝いをしながら地ビールバーを巡り、徐々に父子ともに醸造に興味を持っていった。

 

マッシュタン

マッシュタンと呼ばれる容器で糖化作業が行われ、その後煮沸する。ホップはこのタイミングで。

日本でもおいしいビールを造りたいと考えたが、当時の日本の酒税法ではビール製造免許は年間2000kl以上を造らなければおりなかった。

つまり、財務省や税務署の見解は、「日本に小規模ビールメーカーは必要ない」ということであったのだ。
しかし、時代は彼らに味方した。アメリカで父子が運営する地ビール店が「TIME」や「News Week」に掲載されたことが契機になり、またアメリカの日本への規制撤廃要求が1993年宮澤内閣に届き、翌94年の細川内閣の際の規制緩和につながったのだ。

 

発酵タンク

その後、冷却しつつタンクで発酵をさせる。

規制緩和後もアメリカで地ビール店を運営していたが、満を持して1997年、厚木で醸造施設を作った。しかし折しもそのころ地ビールブームは急速に右肩下がり。そのうえ酒税担保も払えず、高齢の父上が夢半ばで亡くなり、免許更新ができず地ビール造りから撤退した。一人悩んだ伸久氏だが、やはり自分にはビール造りしかない、それにビール造りが心底好きだった。免許再取得に奔走し2002年今の有限会社を再スタートしたのだった。


個性がある、しかし飽きないの日本のクラフトビール

ペールエール

こちらは熟成したペールエール。美しい輝きときめ細かい舌触り。麦芽の旨味を十分に楽しめるゴージャスな味わいだ。

サンクトガーレン・ブルワリーには様々な種類の商品がある。

シンプルだけど飲むほどに味わいが深まるロングセラーの「ゴールデンエール」はアメリカで最初に造ったビールだ。香ばしさと心地いい苦みの「アンバーエール」、濃厚だけどなめらかでクリーミーなブラウンポーター、麦芽の旨味とホップがきいた「ペールエール」などの定番商品のほか、ビターな余韻が通好みの「YOKOHAMA XPA」、神奈川県産オレンジを使った「湘南ゴールド」、400個の焼きリンゴを使った「アップルシナモンエール」、ワインのように熟成させて飲む「麦のワイン」(ビールですよ)や「小麦のワイン」(これもビールですからね)など限定商品も多彩。

ただ奇をてらった商品ではないことは、ジャパン・アジア・ビアカップやインターナショナル・ビア・コンペティション(国際ビール大賞)、モンドセレクションなどで数々の受賞を果たしていることからもよくわかるし、ヘビーユーザー・愛好家にしっかり支えられていることがなにより品質の良さをあらわしている。


 



  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます