メジャー5年目の上原、レッドソックスへ
上原が選んだのは、来季へ立て直しを図っている名門レッドソックス
本拠地フェンウェイ・パークで契約書にサインした上原は、「チームが自分を必要としてくれた。ケガをせず、期待に応えられるように1年間頑張りたい。来年はメジャー5年目で、自分の中では節目だと思うし、大事な年になる。ア・リーグ東地区は一番レベルが高いし、やりがいがある」と目を輝かせた。
メジャー4年目の今季は、37試合に登板して防御率1.75。右広背筋痛で途中離脱したものの、終盤の安定感は抜群で、オフのFA市場では人気が沸騰。10球団以上が獲得に名乗りを上げた。レンジャーズのロン・ワシントン監督は「残って欲しい」と上原に直電し、古巣のオリオールズも「戻ってきてもらいたい」とオファーを出した。しかし、上原が選んだのは、今季69勝93敗で地区最下位に沈み、来季へ立て直しを図っている名門レッドソックスだった。
レッドソックスのジョン・ファレル新監督は、ブルージェイズを指揮していた今季もトレードでの獲得を球団首脳に進言するなど、上原の実力を高く評価していた。現時点ではセットアッパー起用が濃厚だが、「あくまでもそれは現時点での構想。変更もあり得る」とファレル新監督。抑えのベイリーは今季右親指手術の影響で19試合登板に終わり、1勝1敗6セーブ、防御率7.04と安定感を欠いているため、早い段階でクローザーを任せられる可能性は高い。上原の心の中に、こういう”読み”が生じてのボストン選択だったのかもしれない。
上原がレッドソックスのユニホームを着ることになって、楽しみがひとつ増えた。ヤンキース・イチローとの対決だ。両球団は同地区(ア・リーグ東地区)の最大のライバルであり、数々の因縁を生み出している。「対戦できるのが楽しみ。尊敬している人でもあるので。(ヤンキースとの因縁のカードは)経験がないのでどうなるか楽しみです」と心待ち。来季は直接対決が19試合あるこのカード。日本時代は2打数2安打、大リーグでは通算6打数2安打とイチローの方が分がいいだけに、何としても抑え込みたいところだ。
松坂は去ってしまったが、今季防御率1.43をマークした田沢と救援陣を立て直す覚悟の右腕に注目が集まる。