落語界で最もチケットがとれにくい立川談春さん
立川談春さんの師匠、立川談志さんが「俺よりうめえ」と言ったという演目が「包丁」です。大変難しい演目として有名なのですが、逆にそれを演じたことで名が売れることになった談春さん、さすがです。
■演目「包丁」
あらすじ:主人公は常という男。居候になっていた先の大金持ちの亭主が先に死んでしまいました。遺産があったので、お金には困らなかったのですが、若い女に惚れこんでしまい、女房が邪魔になります。
そこで、「女房を追い出し、財産をふんだくって若い女と一緒になる」計画をたて、共犯者に、幼馴染の寅をピックアップします。常の計画は「寅に自分の女房を誘惑させる。おそらく女房がノるだろうから、その浮気現場を押さえ、女房を追い出す」というもの。
しかし、現実はちがいました。女房の激しい抵抗にあった寅は、計画を女房にばらしてしまいます。それを聞いた女房は、旦那に愛想をつかし「それならあんた(寅)の女房にしておくれ」と寅におねだり。寅のほうもその気になり、二人はいい感じになるのです。
そうとは知らず、現場に「包丁」を持って怒鳴り込んで来た常。女房に「出ていけ!」と追い出すはずが「出て行くのはお前だ!」と逆につまみだされてしまうのでした。
■演目「天災」
あらすじ:短気なきかんぼう、乱暴者の八五郎が、ご隠居に諭されて、心学者の紅羅坊名丸の話を聞きにいったところからはじまります。「ケンカをしたくてもする相手がいないとできないのだぞ」と諭されたにもかかわらず、聞く耳を持たない八五郎。突然の雨にまた腹を立てながらも「天から降ったものならしかたがねえ」とあきらめかけたところ、「天から降ったものだと思えは諦められる。これを天災という」と教えられるのでした。
■演目「真田小僧」
あらすじ:小遣いをもらえない息子が、なんとか父親から小遣いをもらおうと、悪知恵を絞って父親を手玉に取る話。談春さんが、いたずら小僧を演じる様子がおもしろくもかわいらしいので、なんとなく憎めなくなってしまいます。
談春さんの講演チケットは、落語界で「最もチケットがとれにくい」と言われていますが、「いい男」で有名な談春さんの「包丁」をぜひ観に行ってみてください。