演じる落語家によってストーリーの印象が異なる 「芝浜」
談志さんの十八番である芝浜がおすすめです。登場人物は夫婦2人だけなのですが、40分以上もある会話にぐいぐい引き込まれます。終盤には感動的なシーンもあり、胸が熱くなる演目です。
■芝浜
なんといってもこの芝浜は、談志さんの演技力が光る演目だと思います。
芝浜は古典落語の1つで、もともと十八番だとされる桂三木助さんの演目が有名になっています。
「大金を拾った自堕落な男に、大金を拾ったことは夢だったと嘘をついて更生させる」という人情話なのですが、演じる落語家によって登場する人物像が違い、受けるストーリーの印象も違ってきます。
談志さんの演じる芝浜は、登場人物は夫婦2人だけなのですが、飽きさせない会話にどんどん引き込まれていきます。とくに終盤の妻の人物像が今までのしっかりした妻ではなく、素直に「嘘をついて悪かった」と詫びる人情深い妻の人物像を描くことで、胸がジーンと熱くなる話になっており、感動を覚える人も少なくないのではないでしょうか。
初めて芝浜を聞く人はもちろん、ほかの落語家の演じる浜芝を聞いたことがある人も、是非一度聞いてみて下さい。