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誕生90周年、『BAUHAUS』展(第1部)(2ページ目)

【石川尚のWAKUWAKUプレス・レポート】#44:日本では13年ぶりに開催される『バウハウス』展。近代デザイン史の要的存在の「学校」が発信したモノとは。 取材協力:東京藝術大学大学美術館、産經新聞社

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

第1部:デッサウ以前/バウハウスとその時代


地下1階の正面左口、ココから第1部が始まる。
第1部ではバウハウス誕生とその時代背景の検証がなされている。
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バウハウスと社会との結びつき、どのようにバウハウスは生まれ、どのように製品が誕生したのか。当時の文化背景や政治体制にも影響され、形成されていったバウハウスとその理念について、バウハウス誕生前夜のデザイン運動とともに通史的に紹介します。ロシア構成主義、デ・ステイル、アーツアンドクラフト運動などの同時代の動きと比較すれば、バウハウスの誕生は必然であったことは明らかです。本展には、それらの製品や資料も出品され、その対比によって、バウハウスのルーツをたどります。
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(引用:展覧会プレスリリース)



左に時代年表、右にはバウハウス設立前の各国におけるアート、デザイン運動の紹介コーナー。正面奥の椅子たちが気になる…


会場に入って右側には、バウハウスに影響を与えたその時代の芸術運動の紹介コーナーである。

総合造形学校としてバウハウスを組織し、校長となった建築家:ヴァルター・グロピウスに多大な影響を与えたと、グロピウス本人が語っているイギリス、ウィリアム・モリス(1819-1900)のアーツ・アンド・クラフツト運動(19世紀末)。
オーストリアのウィーン分離派(画家・クリムトで有名な分離派、19世紀末)、ベルギー・ドイツのユーゲントシュテール、20世紀頭のドイツ工作連盟(芸術家と手工業、工業、商業の協調を主張)、そして、1917年オランダにおけるデ・スティル運動(筆者が大好きなRed&Bule Chairのリートフェルトが活躍した)は、とくにバウハウスの空間概念に特に影響を与えたと聞く。
実際、リートフエルトは1923年のバウハウス展に作品を出品している。
また、日本の帝国ホテルを設計したアメリカの建築家:フランク・ロイド・ライト(1867-1957)の影響も大である。
そして、1910・20年代のロシア構成主義、ハンガリー構成主義の影響も。

とにかく、19世紀末から20世紀頭のヨーロッパ周辺でそれまでとは異なる、過去のからの脱皮的な新しい芸術運動がはじまり、その終着点の一つが『バウハウス』と言っても過言ではないのである。

最初のセクションでは絵画と彫刻、そして壁面には・・・
写真をクリックすると「Live the Art」セクション部分が拡大されます。


このあたりのことを詳しく述べようとするとあまりにも膨大な内容になる。現にこの会場でも長い歴史年表が壁面に掲示され、興味のある方にはフムフムと納得のものだろうが、やはり筆者にとっては、それがどのようなものなのか? その時代の実物の作品が見たい!ところ。 ここで筆者の視線は奥のずらりと並ぶ「椅子たち」へ……『これッ!コレ!』 叫びながら次のコーナーへ。
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