NHK「クローズアップ現代」や「日曜美術館」で放映
上野の東京芸術大学大学美術館で開催中の展覧会「The Art of Gaman/尊厳の芸術」展に行ってきました。NHK「クローズアップ現代」や「日曜美術館」で放映され、大変興味深い内容に心引かれ、そして貴重な「家具」も展示されているからです。
今時分の上野の森は紅葉が美しく、まさに芸術の秋。
休日の午前中にもかかわらず、多くの人で賑わっていましたよ上野は。
秋の陽気は、心身ともの心地よいですからね。
今回の展覧会「The Art of Gaman」は、2010年にワシントンのスミソニアンアメリカ美術館レンウィックギャラリーで開催されました。第二次世界大戦中に強制収容所に収容された日系アメリカ人たちが、生活のために手作りで制作した家具、日用品、工芸品、絵画などを紹介した同展は、アメリカ国内で大反響を呼んだのです。
日本でも2011年11月NHK「クローズアップ現代」で紹介されとても日本国内でも話題となりました。このたび日系アメリカ人の強制収容から70年を迎えるのに合わせて全国5会場で本展を開催することとなったのです。
日系アメリカ人強制収容について
【今から70年前、それまで普通の市民生活を送っていた日系アメリカ人が、アメリカ政府によって強制収容所に送られました。日米開戦の影響を受けて、アメリカ西海岸やハワイの一部地域に住んでいた日系アメリカ人およそ12万人が収容所に隔離されたのです。太平洋戦争の開戦後「日系アメリカ人が、アメリカに対して危険をおよぼすのではないか?」という疑いがアメリカ国内に広がり、強制収容を可能にする大統領令が発令されたのです。強制的に立ち退きを命じられた日系アメリカ人たちは、手荷物以外の持ち込みが許されず、家や会社を安価で売り渡したり、やむなく財産を手放したりして収容所に連行されました。砂漠の中などにつくられた強制収容所での生活は厳しく、風雨が吹き込む住宅での生活は、3年以上も続きました。】(引用:ガイドブック.3P)
会場では、日本の歴史教育、特に戦後の歴史教育で意図的に隠されたとしか思われない「事実」、「当時のこと」が、リアルな叙述と画像とモノで展示されています。
あるもので、生活用品を作る
収容所の住宅は「バラック」と呼ばれた粗末なもので、個人のプライバシーもない狭さで、砂塵などが吹き込むこともありました。その中での最初の頃の生活は必要最低限の家具と食事だけが保証されただけ。
異国で苦労して築いた生活を追われ、砂漠の中の収容所に隔離された環境の中で、人々は生活を少しでも快適にするために、乏しい材料と道具をつかって椅子・テーブル等の家具、棚やカゴ、ナイフやハサミなどの日常生活道具を作りました。
会場に入って正面左にすぐあるのが、「家具」。やはり、生活の基盤道具は、椅子・テーブルなのです。
「これかぁ、、強制収容所で日系アメリカ人に手で作られた椅子は」と、目が釘付けになりました。