スパルタンながらコンフォータブル
ボディーカラーは、XKR-S限定色としてジャガーレーシングの伝統をイメージするフレンチレーシングブルー、イタリアンレーシングレッドを用意。さらにポラリスホワイト、アルティメットブラック、ストラタスグレーが選択でき、いずれのカラーでもオプションでグラフィック仕様が可能
足まわりはハイパフォーマンスモデルらしく引き締められているものの、サスペンションストロークの初期がよく動くおかげで、乗り心地は十分に快適に保たれています。乗員に突き上げ感を伝えることなく、路面をしなやかに捉えながらフラットな姿勢をキープするという印象。
最近ではライバルのスーパースポーツカーでも同様に運動性能と快適性を上手く両立させた車種が多く見受けられますが、XKR-Sのドライブフィールには、スパルタンな中にも独特のしなやかさがあり、コンフォータブルに感じられます。
サスペンションセッティングや、ADC(アクティブ ディファレンシャル コントロール)およびDSC(ダイナミック スタビリティ コントロール)の変更により、経験豊かなドライバーでもパフォーマンスとハンドリングを楽しめるよう味付けされている
また、これほどパワフルで後輪のみの2輪駆動でありながら、アクセルを強めに踏んでも、DSC(ダイナミック スタビリティ コントロール)の介入が控えめなように感じられたのですが、それはクルマのキャラクターに合わせてセッティングし直された専用品がそのように制御しているからであるとか、ADC(アクティブ ディファレンシャル コントロール)の働きによるというだけでなく、もともとのトラクション性能が非常に高いことがうかがえます。
XKR-S専用の「Vulca」という20インチながら軽量な鍛造アロイホイールを装着。フロント9インチ、リア10.5インチのリム幅で、フロント255/35R20、リア295/30R20というタイヤサイズ。レッドペイント仕上げでジャガーのロゴが入った高性能ブレーキシステムは、軽量アルミニウムスライディングキャリパーを採用
ジャガーならではの流麗かつ迫力あるスタイリングに、ディテールまで入念に仕上げられたコクピット、そして、スムーズかつパワフルなエンジン、卓越したフットワークなど、ライバルとは一味違う魅力をいくつも身につけたXKR-Sは、あくまでジャガーらしいスポーツクーペのトップエンド ハイパフォーマンスモデルといえるでしょう。
XKR-Sのスポーティな存在感にさらにインパクトを与えるアクセントとして、上下のフロントグリル、サイドパワーベント、ウィンドウサラウンド、トランクリッドフィニッシャーには印象的なグロスブラック仕上げが施されている