稀に利用される? 特別清算とは
特別清算は、清算手続に入っている株式会社に関して、債務超過等の疑いがある場合に裁判所の関与を強めた清算型の倒産手続です。会社の資産を換金して、債権者に分配するという点では破産手続と共通ですが、その手続を行う(特別)清算人が必ずしも裁判所の選任する人物ではなく、多くの場合、従前の会社の取締役という点に相違があります。
また、破産手続では債権の返済(配当)が、法律で定められた優先順位等で決まるのに対し、特別清算手続では債権者間の公平を害さない限度で、少額債権をより保護するなど、柔軟な債務返済の協定案を作成できるのも特徴です。
ただ、債務返済に関する協定案は、
- 債権者集会に出席した議決権者の過半数の同意、かつ、
- 議決権総額の3分の2以上の同意
民事再生とどう違う? 会社更生とは
会社更生も、特別清算と同様、株式会社が利用できる手続ですが、再建型の手続という点で民事再生に類似しています。会社更生手続と民事再生手続との主な相違点はふたつ。
ひとつ目は会社更生手続では、裁判所により選任される更生管財人が手続を主導することです。そのため、裁判所に収める予納金等も民事再生手続と比較して高額になり、それだけの費用をかけるだけのメリットのある会社(比較的規模の大きい会社)向きの手続ということになります。最近では日本航空や武富士で会社更生手続が利用されました。
ふたつ目として、会社更生手続では担保権者も手続外で担保権の行使をできなくなることです。そのため、事業継続のうえで重要な資産に担保権が設定されており、担保権の実行を阻止した方がよい場合には会社更生手続が向いています。