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10月から値上げされるもの、されないもの(2ページ目)

ここ数年、ガソリン代や電気代などが値上がりしています。この10月、今度は何が値上がりしたのでしょうか?

執筆者:All About 編集部


国民年金後納制度の開始

次は値上げとは違う話題を。今年10月から、国民年金の保険料を過去10年間に遡って納付できる「国民年金後納制度」が施行されます(国民年金の話なので、厚生年金など他の年金制度は関係ありません)。

これまで国民年金は2年間までしか遡って納付できませんでした。そのため2年以上前に未納期間がある人は、それはもうどうすることもできません。しかし、今年10月から平成27年9月までの3年間は、特例措置として過去10年間まで遡って納付ができます。これは納付を忘れていた人を救済するための措置。ただし、ずっと前の年度の保険料を払う場合は、それなりの加算金を払う必要があります。

環境税の導入

さらに、10月から環境税というこれまでなかった税金が導入されます。基本的には法人にかけられるものですが、一般にもいろいろな形で影響してくることが考えられます。

環境税は一言で言えば、石油、天然ガス、石炭などにかけられる税金。環境保護という名目で、化石燃料の消費量を抑えるためにかけられることになります。

誰が環境税を払うのでしょうか? 直接払うのは、国内産燃料なら採掘した業者が、輸入なら輸入業者が払います。しかし、業者が税金を払うということは燃料の小売価格に転嫁される可能性があります。さらにガソリンなどの燃料だけではなく、いろいろな物の小売価格に反映される恐れもあります。ちなみに環境税の税額は、石油なら以下のようになっています。
もともと石油石炭税という税金がかかっていたが、それに環境税が上乗せされる。

環境税は2012年10月に始まって、その後3段階で課税額が引き上げられる。


私たちの生活への影響として考えられるものは、以下の通りです。

■ガソリン価格への影響
当然ですが、石油に税金がかかるので、ガソリン価格に反映されて値上がりの可能性があります。ただし、10月からの環境税は石油1キロリットルあたり250円、つまり1リットルあたりだと0.25円だけなので、1円未満の金額をガソリンスタンドでの小売価格に反映させるのは難しいのが現状でしょう。

値上げはせず現行のままで販売していくスタンドが増えそうですが、それが1ヶ月分、1年間分となると、当然ながらスタンドにその差額分が負担としてのしかかります。

■電気料金への影響
原発が多く停止しているいま、火力発電に頼らざるを得ません。火力発電の燃料である石炭にも環境税がかかるので、当然電気料金にも反映され値上がりする可能性があります。

東京電力などはすでに環境税由来の値上げを検討していますが、値上げをするとしても、平均的な家庭で月あたり10円程度と、それほど大幅な値上げにはなりません。

■交通機関への影響
石油に環境税がかけられるので、ガソリンを使って走るバスなどの交通機関にも影響が考えられます。今のところ値上げを発表している大手バス会社などはありませんが、今後値上げの可能性は否定できません。

■その他幅広い分野で影響も?
石油や石炭などのエネルギーは国民生活や産業のすべての基本となるため、それに税金がかかるということは、生活のあらゆる分野で今後影響が出てくる可能性があります。ガソリンの調達コストが上がれば、車を使って輸送しているあらゆる製品のコストアップにつながるからです。

最後に少しだけ「値下げ」

値上げの話ばかりで終わっても面白くないので、最後に少しだけ「値下げ」の話もして終わりましょう。10月からNHKの受信料が月額で最大120円値下げされます。これは長年の視聴者への感謝の気持ちを表すためということですが、なんとNHKはじまって以来のことだとか。

値上げばかりではなく、多少でも値下げの話があるとありがたいものですね。
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