食料品の値上げ
中国など新興国の需要拡大によって、21世紀になって値上がりが多くなった食料品価格。人口が増えすぎているため、食糧が決定的に足りなくなることが危惧されます。とはいえ当面の問題は、今年の夏にアメリカやオーストラリアなど世界の穀倉地帯で起こった干ばつ。これによって小麦、大豆、とうもろこしなどの価格が急騰しています。今後半年~1年の期間で食糧価格の高騰が起こると予想されますが、10月から値上げが決まっているのは以下の食料品です。
■バターの値上げ
2010年の猛暑や東日本大震災の影響で加工用原料乳が減少したため、生乳価格の引き上げからバターの値上げになりました。
雪印メグミルクは、「北海道バター」(200グラム入り)を370円(税別)から385円に引き上げ。「北海道100 さけるチーズ(プレーン)」(60グラム入り)を200円から210円に値上げします。
森永乳業は、すでに9月10日出荷分から「森永北海道バター」(200グラム)を、365円(税別)から380円に値上げしています。
明治乳業も、すでに9月1日出荷分から「明治北海道バター食塩不使用」(200グラム)を405円(税別)から420円、「明治北海道バター」(200グラム)を370円から385円に値上げしています。
■食用油の値上げ
食用油の値上げはアメリカの干ばつによる大豆の値上げを受けてのものですが、値上げ自体は4月、7月に続いて今年なんと3度目になります。
値上げ幅は、日清オイリオグループの家庭用が1リットル当たり10円以上、J-オイルミルズは12円となっています。業務用も値上げされるので、飲食店などの経営が圧迫されます。
■小麦の値上げ
日本の小麦は政府が一括調達してから、各小売や卸売業者に卸す仕組みになっています。政府が売り渡す価格は4月と10月の年2回、国際的な価格をもとにして決められます。
アメリカの干ばつなどによって国際価格が上昇しているので、10月の政府売り渡し価格が3%程度引き上げられました。今後パンや麺類の値上げという形で反映される可能性があります。