がんの再発・転移と「免疫抑制細胞」
がん治療を受けておられる方の最大の関心事の一つが「再発・転移」。がんと発覚し治療を行ってから、一般的には少なくとも5年間は「再発・転移」なく経過すれば、ひとまず治癒ということになります。がん患者さんは、そこをめざして補助的な治療をがんばったり、検査をドキドキしながら受けたりされています。
しかし、その経過の中で、再発・転移する方もいれば、そうでない方もいらっしゃる。その理由はどうやら「免疫抑制細胞」にあるようだということが、最近の研究で明らかになってきました。
すなわち、がんが再発・転移しやすい症例では「免疫抑制細胞」が多く見られ、私たち自身の免疫力によるがん細胞への攻撃を弱めていることが明らかになってきたのです。
「免疫抑制細胞」を減らすには?
シイタケ菌糸体を食べたがん細胞を持つマウスは、そうでないものに比べて、免疫抑制細胞が減少していました。シイタケ菌糸体が、がんによる免疫力低下を食い止める可能性があることを示しています。(クリックで拡大)
「免疫抑制細胞」が増えれば、体の免疫力が低下し、がん細胞を攻撃しづらくなってがんの再発・転移につながる」というのであれば、「免疫抑制細胞」を減らすにはどうすれば?と考えるのは自然なことですね。
少し意外に思われるかも知れませんが、病院で行われている手術、抗がん剤治療、放射線治療といういわゆる「がん三大療法」はこの「免疫抑制細胞」を減らすようなものではありません。
しかし、実は食品由来成分の中に「免疫抑制細胞」を減少させる働きを持つものがあるというのです。それがシイタケ菌糸体です。図は、マウスにがん細胞を移植したものですが、シイタケ菌糸体を摂取したグループのマウスは、そうでないグループのマウスよりも、「免疫抑制細胞」が減少しています(シイタケ菌糸体研究会)。