経済性の観点から、年々、省エネや節電意識が高まっていますが、最近では、原発への不安から自然エネルギーが注目されています。中でも太陽光発電ヘの関心の高さは、テレビや新聞などのメディアに頻繁にとりあげられていることからもわかります。

太陽光発電は、近年、補助金や買い取り制度の充実に加え、太陽光パネルの低価格化が進み、一般家庭でも導入しやすくなってきました。設置を考える人にとっては、環境が整ってきて好ましい状況ですが、一方で、太陽光パネルは比較検討して選ぶ時代になってきたようです。というのも、発電量はどの製品も同じではないからです。どんなところに注目すればいいのか、太陽光パネル選びのポイントについて説明しましょう。
 

費用が早く回収できるシステムを重視

太陽光発電の導入を考えている人は、どんな点を重視して選んでいるのでしょうか。

ある太陽光発電メーカーの調査では、太陽光発電の導入検討者が最も重視するのは、「設置費用が安い」ことでした。実に75%の人が重視するポイントとして選んでいます。そして、第2位が73%の「設置費用に対して発電量が多く、早く費用が回収できる」、第3位が70%の「太陽光パネルの変換効率が高い」となっています。

太陽電池モジュールの設置例(イメージ)

太陽電池モジュールの設置例(イメージ)

この上位3位までの回答はすべて太陽光発電の経済性に関するものです。このデータから、導入を考えている人たちの多くは、「設置費用が安く」「変換効率が高い」太陽光発電を選び、結果的に早く「費用が回収できる」ことを重視していると読み取れます。

では、早く費用が回収できる太陽光発電とはどんなシステムなのでしょうか?

答えは、「設置費用やメンテナンスにかかる費用が安く、発電能力が高い」ということ。このことから、カタログなどで太陽光パネルの価格や発電能力を見て、できるだけ設置費用が安く、変換効率が高いメーカーのシステムを選べばよいと考えがちですが、実は、そうでもないのです。なぜなら、各メーカーの太陽光発電システムの性能の違いをカタログだけから読み取ることはかなり難しいからです。

例えば、「公称最大出力」や「定格出力」、「変換効率」と言われても、何だかよくわからないし、どちらを重視すればよいのかも、言葉からではよくわかりません。

簡単に説明すると、どちらも太陽光発電システムに用いる太陽光パネルの性能を表す用語で、「公称最大出力」は1枚の太陽光パネルが発電することができる最大電力を表しています。「定格出力」も同じです。「変換効率」は太陽光パネルが光エネルギーを直接電力に変換する割合を表す数値のこと。これらの数値が高ければ高いほど単位面積あたりの出力が高い太陽光パネルとなります。当然、単位面積あたりの出力の高い太陽光パネルを使用した太陽光発電システムは発電量が多く、早く設置費用が回収できるシステムとなるはずです。
 

実際の性能はカタログからは読み取れない

ところが、一概にそうと言い切れないのが、太陽光発電のわかりにくいところです。

カタログに表記されている変換効率は、国際規格で定められた条件下で測定されたものですが、この測定条件は太陽光パネルにとって理想的な条件で計測したもので、必ずしも、本来太陽光パネルが設置される状態に近いとはいえない環境で計測された値だからです。当然のことながら、太陽光パネルが設置される自然環境では晴天の日も曇天の日もあり、季節も夏のように暑いときも、冬のように日差しが弱いときもあります。さらに、場合によっては電線や近隣の建物の影ができることもあるでしょう。条件が異なれば比較するのは難しいですし、カタログに記載された性能が実際にシステムを設置した場合と異なる可能性もあるのです。

このことは、自動車を例にとるとわかりやすいでしょう。自動車の燃費はカタログに記載されていますが、実際にカタログ通りの燃費になることはあまりありません。それは、カタログに記載されている燃費を計測した際の走行条件と、実際に走行した場合の走行条件が異なるからです。太陽光発電の場合も同じで、実際に設置すると、カタログに書いてある性能を発揮できないことがほとんどです。

では、「公称最大出力」や「定格出力」、「変換効率」があてにできないなら、何を基準に太陽光発電システムを選べばよいのでしょうか。ポイントとなるのは「実発電量」です。

次ページで「実発電量」について詳しく説明しましょう。