大丸東京店に、ベルギー・ブリュッセルの有名老舗パティスリーが「メゾン・ダンドワ MAISON DANDOY」として世界初出店をすることになったのは、日本でこの事業を手掛ける「C’Select」の小林さんファミリーのご尽力があってこそです。
ラボで焼き上げられる「メゾン ダンドワ」の「リエージュワッフル」

ラボで焼き上げられる「メゾン ダンドワ」の「リエージュワッフル」

小林さんのご家族は、元々、包装資材のメーカーとして事業を展開していましたが、ある時、パッケージだけでなく新事業を展開しようという時期が訪れました。そこで、ヨーロッパ各地を訪れ、現地のお菓子に関心を寄せていたお嬢様が中心となって情報を集め、スイスの老舗チョコレートメーカーアプローチしたそう。その大胆な熱意が伝わって、数年後には日本への輸入販売権を得ることができ、そこから、大丸との縁もできたそうです。

「ダンドワ」とのご縁も、お嬢様が10年ほど前にブリュッセルの本店を訪ね、その美味しさに感激し、その後もファンとして訪れていたことがきっかけで、思い切って直接メールを送られたのが始まりだそう。「ダンドワは、家族経営で六代に渡って、ずっと手作りを続けているお店なんです。うちも、下町の家族経営の会社。そこが通じ合ったのかも知れません」とおっしゃるとおり、この事業展開のために起ち上げた「C’Select」は、奥様の克子さんが社長となられ、お嬢様達と一致団結した協力体制で経営していらっしゃいます。

折しも、大丸東京店の増床オープンと時期が重なり、大丸側からも、「ダンドワ」との間にそのような話があるのであれば、ぜひ出店してほしいというオファーを受けました。「ダンドワ」にとっても、初の海外出店には何かと懸念もある中で、日本を代表する百貨店の東京店に出店できるのであれば安心だ、という思いがあったことでしょう。

しかし、今回初めて、食品の製造販売に取り組むという同社。技術や設備の点でハードルは無かったのでしょうか?と伺うと、そこにもこんなエピソードがありました!
ラボで焼き上げられる「メゾン ダンドワ」の「ブリュッセルワッフル」

ラボで焼き上げられる「メゾン ダンドワ」の「ブリュッセルワッフル」

なんとその頃、小林家の次女であるもう一人のお嬢様が、パティシエールを目指して勉強中で、フランスで修業をしていらしたのです。すぐにブリュッセルの「ダンドワ」に向かい、現地で研修を受け、本店から信頼を託されたお嬢様が帰国され、現在、製造の統括責任者となっています。まるで何かに導かれるかのように繋がっていった一筋の糸。不思議なご縁を感じますね。

「ダンドワ」側からは、ベルギーと日本では、まず、硬水と軟水という水の違いがあり、本国と同じワッフルの再現は難しい、と言われてきたそうです。しかし、本店からも職人さんに来日してもらい現場指導を受け、本店と同じ機械を導入し、研究を重ねてきました。ブリュッセルとは気温も湿度も異なる日本では、使用する素材を全て同じにすると、逆に仕上がりが別の物になってしまいます。本店の味を知る方にも納得していただけるよう、微調整を加えているそう。

本店でも、一度焼いたものを冷ましておき、注文が入ってからもう一度焼いて出来たてを提供する方式なのですが、日本でも、ラボで焼いたものを大丸に運び、店頭で再び焼き上げるスタイルを取ります。

メゾン・ダンドワ

「メゾン ダンドワ」の「ブリュッセルワッフル」に、チェリーソースをかけて

焼いていただいた二種類のワッフルは、それぞれ特徴が異なっていて、どちらも魅力的! ブリュッセルワッフルなどは、一見、かなり大きめサイズなのですが、サクッふわっと軽い食感で、甘酸っぱいチェリーソースがアクセントとなり、気付けばぺろりと平らげてしまっていました。

「ビスケットも、ヨーロッパは味の美味しさが最優先。見た目はあまり構わないところがあるんですね。だから繊細でとても割れやすく、輸入の途中で壊れてしまい、販売できなくなってしまう物もあるんです。私達としても痛いところなのですが、だからといって、壊れにくい配合にしようとか、作り方を変えようとは考えない。現地の工場も、人間が手をかけている、本当に手作りの態勢なんです。そんな彼らの思いを伝えていきたいです。」という小林さん達。ブリュッセル本店のHelson家にとっても、小林家にとっても、ご家族の取り組みの新たな第一歩となる、日本での「ダンドワ」ショップが、いよいよスタートです!

<ショップデータ>
■メゾン・ダンドワ MAISON DANDOY
東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店地階
電話 03-3212-8011(代表)
営業時間 月~金 10:00~21:00、土日祝 10:00~20:00
定休日 無休(1月1日除く)

続くページでは、百貨店初出店となる、東京の老舗をご紹介します。こちらにも、お父様と娘さんとの心打たれる物語がありました。東京に唯一残る路面電車、都電荒川線沿線の本店に伺い、お話を伺ってきました。