メゾン ダンドワ
ベルギーのブリュッセルで、観光客が必ず訪れるほど有名なショップ。それが「ダンドワDONDOY」です。1829年「Biscuiterie Dandoy」として創業。日本では、中心地グラン・プラスにある店舗で食べられるベルギーワッフルがよく知られています。私も数年前にこちらを訪れ、2種類あるワッフルを焼き立てでいただきました。「スペキュロス」という、ベルギーの伝統的なスパイスクッキーも人気のお土産です。今回、海外初出店となる大丸東京店でいただけるのは、180年以上受け継がれた伝統のレシピによるワッフルとビスケット。ワッフルは「リエージュワッフル」と「ブリュッセルワッフル」の2種類です。日本で近年ブームとなったいわゆる“ベルギーワッフル”は、表面がサクサクしたリエージュタイプ。
実は最初、ベルギーの本店を経営する六代目社長のBernerd Helson氏の側では、伝統のビスケットのみの販売を考えていたそうですが、やはり日本人にとって「ダンドワ」の顔ともいえるワッフルが無くては!という熱意あるリクエストにより、技術の伝承に始まり、厨房機器の手配から環境の整備まで様々な懸案をクリアして、店頭で焼き立てを提供できることになったそうです。
できるだけ、本国そのままの形、味、で提供したいという思いのもと、「リエージュワッフル」は、小さめサイズ(1枚300円)と共に、本国と同じサイズでより大きなオリジナルサイズ(1枚480円)も提供します。
生地の中にパールシュガーを混ぜて焼いているので、焼き色も香ばしく、表面はサクッとして所々にカリカリした食感も残り、中はもっちり。バターたっぷりでしっとりリッチなので、飲み物がなくても、その場でするっといただけてしまいます。
もう一方の「ブリュッセルワッフル」(1枚420円)は、より軽くサクサクの食感。生地自体には甘さがなく、表面には雪のように粉糖を振らせています。別添のソース(+210円)をかけていただくのがお薦めで、通年でチェリーと苺があり、私は酸味のあるチェリーがお気に入り!今後、季節に応じたソースを用意することも検討しているそうです。
どちらのワッフルも、焼き立ての熱々ではなく、店頭で焼き上げた後、少し冷ましてから提供するそう。特に「ブリュッセルワッフル」は、冷めてからでないと粉糖がしけってしまいますし、熱々で箱に入れると熱がこもるので、せっかくのサクッとした食感が、すぐにしんなりしてしまうからです。
ワッフル1枚の大きさに合わせて開発したという専用箱は、展開するとそのままお皿代わりにもなる仕様なので、オフィスやベンチでちょっといただくにも重宝します。金色の水玉模様が描かれたパッケージがおしゃれでキュートです。この水玉模様は、「ダンドワ」の看板商品であるビスケットの生地を、オーブンの天板に丸く絞りだしたところをモチーフにしているのだそう。
実は今回、お店のロゴやパッケージを一新することになり、本店にも先駆けて、日本でのお披露目が、世界初となります。私も、本店で購入した際、スペキュロスが入っていたお店の形のデザイン缶を大事に取ってありましたが、そういった旧来のデザインも大きく変わります。長く愛されてきたロゴやパッケージを変えるには、思いきった決断が必要ですが、老舗のお店も、時にそうやって新しい風を吹き込むことで、進化を続けていくのですね。
写真は、リエージュワッフルが最大5枚入るタイプの箱。出来たてをその日のうちに召し上がっていただきたい特別な手土産として、利用したいですね。
さらに、こんな食べ方説明書まで入っているというきめ細やかさ!
持ち帰って少ししんなりしてしまった時に、オーブントースターで温め直していただくコツをわかりやすく解説。こんな所にも、一番美味しい状態で召し上がってほしいという、作り手の思いが込められています。
ビスケット類は、ベルギー本国からの直輸入品。好きな種類を好きな枚数で選べる量り売りと、あらかじめ詰め合わせになったセット物があり、セット物は60g630円から何パターンかが揃います。
10種類ほどの中でも、特にお薦めしたいのは、「スペキュロス・ムーラン」。ベルギーの伝統菓子であるスペキュロス独特の、カリッとした歯応えと、数種類をブレンドした秘伝のスパイスの香りが特徴的です。旧来の店舗ロゴにも使われていた風車のマーク入り。同じ形でやさしいバニラ味の「スペキュロス・バニーユ」もあります。また、レモンピールがたっぷり入り周りにざらめ糖をまぶした「シトロン」、ハート形のパイが可愛らしい「パルミエ」、ピスタチオナッツの緑が美しい「サブレ・ピスターシュ」など、どれにしようか迷ってしまいます。
また、ベルギーでは12月6日の聖ニコラ祭に欠かせない大きなスペキュロスなど、時期によって特別な品物も入荷予定だそうで、楽しみですね! 今回のオープニングにも、うさぎの形をした「スペキュロスラビット」が登場予定です。そんな特製スペキュロスを焼くために本店で使われてきた木型も店頭に飾られているので、ぜひチェックしてみてください。サンタクロースのモデルにもなったと言われる、子供の守護聖人ニコラの姿をはじめとする細やかな細工で、現代ではこの木型を作る技術を持った職人さん自体も数えるほど。簡単には入手できない品を受け継いで使っているのも、老舗ならではの貴重な財産です。
それにしても、世界中から注目されつつ、これまで頑なに海外出店をしてこなかった老舗が、なぜ今回、日本に出店することになったのか?日本でこの事業を手掛ける「C’Select」のラボにお伺いして、インタビューをさせていただきました。次のページで驚くべきストーリーをご紹介します!
<ショップデータ>
■メゾン・ダンドワ MAISON DANDOY
東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店地階
電話 03-3212-8011(代表)
営業時間 月~金 10:00~21:00、土日祝 10:00~20:00
定休日 無休(1月1日除く)