食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類がある
食物繊維には、便のかさを増やし、やわらかくすることで便通をよくする効果があるため、食物繊維を含む食品を積極的にとることは便秘の防止に適しているとされています。実はその食物繊維、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があるのをご存知でしょうか。
不溶性の食物繊維は、水分を吸って膨らみ、便のかさをふやして腸の働きを活発にする働きがあり、ごぼうなどの野菜や小麦ふすま、豆やきのこなどに多く含まれます。
一方、水溶性の食物繊維は、便の水分をふやしてゼリーのようなやわらかい状態にしたり、有害物質を吸着して体外に運ぶ役割、さらに腸内の善玉菌を増やす働きもあります。こちらはキウイやバナナ、リンゴなどの果物、野菜や海藻などに多く含まれます。
不溶性の食物繊維も水溶性の食物繊維もバランスよくとることが大切ですが、なかでも便秘に悩んでいる人は、水溶性の食物繊維を意識してとりましょう。便の水分をふやして柔らかくするその働きは、便を出しやすくし、整腸効果が期待できます。
便秘に効果的な乳製品・発酵食品
また、食物繊維以外では、ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、漬け物などの乳製品や発酵食品なども便秘改善におすすめです。これらは腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を増やし、腸内環境を整える効果があります。便秘解消にも「朝のフルーツ」は金!
キウイフルーツは食物繊維が豊富。自然な甘みで女性にも人気が高いです
例えば、自然な甘みで女性にも人気の高いキウイフルーツは食物繊維が豊富で(100g(大体キウイ1個分)あたり2.5g=1日に必要な食物繊維の13~15%)、水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいるといわれています。
日本人の食事摂取基準(2010年版)によると、18歳以上で1日に必要な食物繊維の目標量は男性で19g以上、女性で17g以上とされています。ところが実際には、30代の男性は13.7g、女性は12.6gしか摂取していません(平成20年 国民健康・栄養調査結果の概要より)。かりにキウイを2個分(5g)食べれば、足りない分の食物繊維も摂取でき、目標量もほぼクリアできるのです。
便秘気味の健常女性(20歳以上)12名にグリーンキウイを1日2個ずつ食べてもらって、これを4週間続けたところ、1週間後くらいから便の回数や量が増えて、4週間後にはいわゆる「バナナ状」の良い形の便になったとの研究報告(チヨダパラメディカルケアクリニック・CPCC株式会社調査)もあります。ちなみにこの実験をした人たちにアンケートをとったところ、8割の人が実感として改善したと答えたとのこと。食べ続ければ便秘改善効果が期待できそうです。
便秘改善にはあくまで生活習慣、運動、食生活の改善が必要ですが、気軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。