株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

売りシグナル「陰の丸坊主」は有効?!

株価チャートを分析するテクニカル分析では、チャートがこういう形になったら買い、こういう形になったら売りと言うように様々なサインがあると言われています。果たして本当にそうなのでしょうか。今回は売りサインと言われている「陰の丸坊主」について過去の株価データを使って検証してみました。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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 「陰の丸坊主」

以前、ローソク足「陽の丸坊主」について検証を行いその有効性について確認しました。陽の丸坊主は勝率が41%と低く、統計的に優位性があるということはできませんでしたが、今回は「陽の丸坊主」と対照的なローソク足である「陰の丸坊主」について検証を行います。今回検証したテクニカル指標はローソク足の「陰の丸坊主」です。
システムトレードの達人


「陰の丸坊主」は大陰線のなかでもひげのないもので、始値と高値が一致かつ終値と安値が一致しているものを指します。つまり、寄付から引けにかけて株価が下落し続けたということになります。これは、投資家すべてが一致するような大きなマイナス材料が出たときに現れやすく、「翌日も株価の下落が期待できる」売りのローソク足の代表とされています。このテクニカル指標は果たして本当に有効な指標となっているのか検証してみました。検証の条件は以下の通りです。

「陰の丸坊主」の検証方法

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
対象銘柄:東証全貸借銘柄

売りルール:
・株価が100円以上 かつ
・当日の始値が当日の高値と等しい かつ
・当日の終値が当日の安値と等しい かつ
・当日の終値が当日の始値と比較して10%以上小さい

の場合翌営業日寄り付きで売り

買いルール:
・買ったその日の引けで買い

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

上記の売買ルールは、陰の丸坊主となった銘柄は翌日も株価の下落ムードが強く残るだろうと考え、翌日に成行で空売りを仕掛け、株価の下落ムードが残っているであろう同日中に成行で手仕舞いをするデイトレ型空売りの売買ルールです。このような条件で検証を行うことで売りサインである陰の丸坊主の翌日に空売りを仕掛ける戦略は有効かどうか検証してみました。

では、検証結果を確認してみましょう!

「陰の丸坊主」の検証結果

システムトレードの達人

出典:システムトレードの達人

■バックテスト結果■
勝率: 51.87 %
勝ち数: 9,895 回
負け数: 9,183 回
引き分け数: 2,145 回

平均損益(円): 104 円  平均損益(率): 0.02 %
平均利益(円): 7,185 円  平均利益(率): 2.87 %
平均損失(円): -7,502 円  平均損失(率): -3.05 %

合計損益(円): 2,204,871 円  合計損益(率): 457.24 %
合計利益(円): 71,097,491 円  合計利益(率): 28,440.72 %
合計損失(円): -68,892,620 円  合計損失(率): -27,983.48 %

PF: 1.032
平均保持日数: 0.00 日

検証結果をみてみると勝率が51.87%と50%を上回り、平均損益も104円と小さいもののプラスになっています。この結果から「陰の丸坊主」を利用したデイトレ型空売りの売買ルールは有効ではあるものの、実際のトレードで利用するほどの優れた売買ルールではないといえるのではないでしょうか。


今回の検証では、ローソク足の基本的な読み方である「陰の丸坊主」を紹介しました。この他にも買いのサイン、売りのサインと言われているチャートは数多くありますので本当に有効なものなのかどうか検証して確かめてみてください。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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