平均残業時間10.8時間 手当1万9468円
上の表は、「毎月勤労統計調査 平成28年分結果速報(厚生労働省)」から、事業所規模5人以上の産業別の所定外労働時間と所定外給与です。全産業の所定外労働時間の平均は10.8時間、所定外給与は1万9468円となっています。所定外労働時間数は早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等の実労働時間数。所定外給与は、所定の労働時間を超える労働に対して支給される給与や、休日労働、深夜労働に対して支給される給与のことで、時間外手当、早朝出勤手当、休日出勤手当、深夜手当等です。この表の内容は、残業時間と残業手当ということですね。
残業時間多いのは 運輸・郵便、情報通信、電気・ガス
産業別の残業時間数を見てみると、時間数が多い順に運輸・郵便業が23.0時間、情報通信業が16.4時間、電気・ガス業が15.9時間となっています。少ない産業は、医療福祉 5.1時間、飲食サービス業5.9時間、複合サービス業7.2時間、生活関連サービス7.2時間となっています。ただ、これらの時間は会社から報告されているもの。実際はサービス残業などもあるかもしれませんから、このあたりは気にかけておきたいところです。
残業手当は電気・ガスが一番
残業手当のほうをみると、時間とは違ってきます。電気・ガスが5万5543円でトップ。これは単純に時間数だけでの換算ですので、休日や深夜の割合が多ければ自然と手当も多くはなります(休日や深夜は手当の割増度があがります)。単純に時間数だけで比較するのは公平ではないとは思いますが、時間数では3位だったのが、手当はぶっちぎりの1位。電気・ガスは賃金の単価もしくは割増率が高いために残業手当が高額になっていると予想ができます。残業手当がないと生活が苦しくなるという人が多いですが、残業手当はあくまでも所定外の労働に対して払われているもので、いつまでも保証されている給与ではないというのがよくわかります。給与明細書で残業手当を確認するのはもちろんですが、この手当がなくなっても生活ができるかを常に想定することが大切です。