いったん水まわりリフォームをしたら、20年はそのままの間取り
掃除がラクになったり収納が増えたり、製品選びには楽しい情報が多い。
掃除がラクになる設備、充実した収納システムなど、製品選びには楽しい情報が多く、どうしても夢中になりがちですが、ここでぜひ考えておきたいのが間取りのことです。
いったん水まわりのリフォームをしたら、この先20年以上はそのままの形です。20年も経てば、体力も暮らし方も変わっています。本当にそのままの間取りで、この先20年を安全に快適に暮らせるでしょうか?
水まわりバリアとは、道筋の途中にある障害物のこと
若いころは何ともなかった洗濯機から物干し場までの移動が、年を取ると大変に。
このように毎日使う、水まわりの生活動線上にあるバリア-障害物のことを、ガイドYuuは「水まわりバリア」と呼び、今のうちに解消するよう呼びかけています。
水まわりバリアは毎日の暮らしの中に何気なく潜んでいて、今は何ともなくても年月が経つにつれて大きな困りごとに成長していきます。気付かないまま設備の交換リフォームだけしてしまい、後になって困っているケースを見かけることもあります。40代以降でリフォームをする方は、今のうちに間取りを見直し、バリアを解消しておきましょう。
洗濯機~物干し場までの水まわりバリアをチェック
水まわりバリアの中でも見逃しがちなのが、洗濯機と物干し場の間にあるものです。リフォームセミナーで、「洗濯機と物干し場の間に段差がある人は手をあげて下さい」と問いかけると、8割くらいの方が手をあげます。水まわりバリアで多いのが、洗濯機は1階、干すのは2階のベランダというケース。
皆さんの家でもこのような水まわりバリアが無いか、チェックしてみて下さい。例えば洗濯機は1階、干すのは2階のベランダという家は、途中に階段という大きなバリアがあります。同じ1階であっても庭に降りる時に段差があれば、バリアになります。
濡れた洗濯物を持って階段や段差の上り下りをするのは、若いころはよくても、年を取るにつれてだんだんと大変になります。また両手いっぱいに洗濯物を持つと、足元が見え難くなるので、高齢者にとっては危険が伴う移動になります。
ウッドデッキのリフォームでもバリアの解消ができる
洗濯に伴う水まわりバリア解消のコツは、洗濯機と同じフロアに物干し場の確保を行い、距離はできるだけ短く、途中の階段や段差を無くしておくことです。途中にあるドアも開き戸より引き戸にしてくほうが、移動がラクになります。洗濯機の移動は、キッチンや浴室など他の水まわりリフォームと一緒にやってしまえば、意外と簡単にできます。洗濯機から干し場まで一直線の道筋にして、ウッドデッキを付ければバリアが解消できる(右:ノンレールサッシ/LIXIL)
庭への段差はウッドデッキの取り付けで解消できます。洗濯機~物干し場までスムーズに安全に移動できるようにしておけば、年をとっても安全に快適に暮らすことができます。
次のページでは、寝室~浴室までの水まわりバリアチェック、そして本当に価値ある水まわりリフォームをするコツをご紹介します。