ボラティリティー・インデックス系の商品は何かが動き出したとき、1ヶ月限定で勝負したい
VIX指数は長期的に保有するには適さない。何かが起こり始めた時の1ヶ月限定勝負で活用したい
2012/5/7のVIX指数は1.15%の下落でしたが、5月と6月の先物価格はそれぞれ3.25%と2.80%も下がりました。これを受けて翌日の東証2030と大証1552もVIX指数以上に大きく下落したはずです。実際にはそれに為替を掛けたものと、当日の東証、大証における需給具合にもよってETF・ETN価格は変わります。その夜の米国相場が落ち着くと先読みされる場合は、ETF・ETN価格はさらに下落することになります。同様にして東証2029と大証1661は、同じVIX中期先物指数に連動を目指すものであり、これは直近から数えて4,5,6,7番目の限月の先物を組み合わせて保有します(緑色)。
なお、前ページの表にあるローリングポジションというのは、日々1日ずつ後ろの限月ものの保有ウェイトを多くしていき、平均的な保有限月を一定に保っていくやり方です。これがまた重要であり、2012/5/7のように後ろに行くほど先物値段が高くなっている状態の場合(逆になることもある)は、毎日安い間近のものを少し売って、高い期先のものを買うので、VIX指数が全く変わらなくても、若干ETF・ETN価格は下がって行くという注意点があります。しかしこのことは日々のVIX自体の値動きに比べれば微々たるものです。
金融危機以降のVIX指数は平均的には25前後であり、大半の期間はその近くになっています。たまに40位に上昇しますが、その期間は一瞬であり、30以上に留まるのはせいぜい1~2ヶ月程度だということです。すぐに平均回帰していきます。従っていつか来る40以上を目指し、残りの9割もの時間をじっと耐えると言うのは難しいでしょう。つまり、このようなボラティリティー・インデックス系の商品は、ずっと長期に持っていていつか来る上昇を待つには適していません。特に短期ものはそうです。
それでも2010年、2011年と続けて40以上になる時期がきました。これは物凄い上昇率であり、そして2回ともギリシャに端を発した欧州金融危機が騒がれた時でした。従って平時の状況が崩れ、何かが動き出したとき、1ヶ月勝負限定でVIX短期を購入してみる、というのが良いように思います。