足まわりとボディ剛性を向上
マウス感覚で操作するリモートタッチも操作性を向上し、ナビも最新世代が搭載されている。各バージョンLにはリヤシートエンターテイメントを用意
RXの欠点はボディが前後、左右に揺すられてしまいそれでいて突っ張ったようなサスペンションの仕事ぶりで、高級SUVとしては乗り味に落ち着きがなかった点だが、今回のボディ剛性の向上と足まわりの熟成が図られた。中でも最も好感を持てたのが、エントリー仕様のRX270だ。RXというとやはり憧れはハイブリッドのRX450h、お財布が許さないからRX350を買う、あるいはRX270だと「格」がどうかなぁ、と少し背伸びしてRX350を狙うという人も少なくないだろう。
素の良さにあふれたRX270
RX270はグレード名のとおり排気量は2.7L、RXでは唯一の直列4気筒となるとレクサスのSUVとしては少し寂しい気がするのも分かる。RX350が280ps、RX450hはエンジンだけで249ps、モーターは前後合わせて235psに達するから168psのRX270は確かにスペック的には見劣りしてしまう。
しかし実際の走りは、エンジンも軽いからフロントノーズの動きも軽快で、取り回ししやすいし、V6よりも当然エンジン音は賑やかだが素のクルマを運転している好ましさを感じさせる。少しエンジン音は高まるが、高速巡航でも流れに乗るのはたやすいし、やや軽い乗り味も軽快感があって若々しくさえ感じるのだ。
RX450hのエアサスと比べると乗り味の高級感の演出ぶりは、別のクルマに思えるほど。だがFFしかないとはいえ、RX270が約300kgも軽いのはSUVであってもクルマは軽さが武器と教えてくれる。中間グレードのRX350も必要十分以上に速く、不満はほとんどないが、こちらもRX270が唯一となるレギュラーガソリンであることも考えても上位グレードとは違った魅力にあふれていると思う。