ブドウ球菌による食中毒
ブドウ球菌による食中毒は、黄色ブドウ球菌の出す毒素によって起こります。そのため、細菌そのもので食中毒を起こすより、食べてから早い時間、約3時間で、激しい嘔気・嘔吐、激しい腹痛、下痢などの症状を起こします。嘔吐、下痢のため、脱水になると、入院治療を要しますが、死亡例はほとんどなく、予後は良いと言えます。とはいえ、子供の場合は脱水を起こしやすいので、大人より注意が必要です。黄色ブドウ球菌は、子供に多い伝染性膿痂疹(とびひ、飛び火ともいう)の原因ですから、子供にとって身近と言えます。この毒素は、熱に強いので、ブドウ球菌のついた手で食事をしないのが大切です。食べこぼしで汚染された食卓、手に付いた細菌、怪我をした手などが危険因子と言えます。毒素ですので、抗菌薬は効果がありません。
食中毒の対策
直接口に入る生野菜を扱う時には特に手の除菌は大切。周りも除菌しましょう
- 食材:新鮮な物、十分に加熱する、調理から食事までの時間を短くする、保存には冷凍、冷蔵するなど
- 食器:洗剤を使って洗う、水気を必ず取る、可能なら加熱消毒等で除菌をする
- 食卓:食卓の乾燥に努める、食卓は食前にアルコール除菌スプレー等で除菌した台ふきんできれいに拭くなど
- 食事:調理する時にはこまめに手洗いと消毒する、食肉などを調理する時には調理器具を洗浄・除菌をする、食事前に手洗いをしっかりする
まずは流水でしっかりと手洗いすること、そして除菌すること