近年はジェネリック商品などED治療薬の有効性がよく知られています。しかし、ED治療の目的は単に勃起機能を回復させることではなく、性生活を充実させ、結果的にQOLを高めることにあります。
そこで、性生活に関して女性はどんなイメージを持っているのかを探るため、2007年に5000人規模のWeb調査が行われました。その結果から浮き彫りになったのは…?
性生活に関する意識をWebで調査
この調査は、首都圏在住の20歳以上で、男性の性的なパートナーを持ち、性交渉を重ねている女性を対象にWeb上で行われました。回答者は5665人。その73.9%が既婚者で、20~40歳代が全体の95.3%を占めました。
質問は「性生活の実態」「よりよい性生活」「ED治療薬」の3項目に大別。「あなたは、性生活をより充実させたいと考えていますか」「満足のいくセックス経験は日常生活にも良い影響をもたらしましたか」「ED治療薬に、どのようなイメージをお持ちですか」など、それぞれに細分化された問いが設けられました。
回答者の男性パートナーの勃起能は、
- 「いつも勃起が可能で、性交の間中、十分に勃起を維持できる」=56.1%
- 「たいてい勃起が可能で、性交の間中、十分に勃起を維持できる」=33.5%
- 「たまに勃起が可能で、性交の間中、勃起を維持できる」=7.4%
- 「勃起せず、性交が不可能」=3.0%
挿入時間や体位数より、前/後戯の充実を
挿入時間や体位数よりも、前戯や後戯の充実を求める女性は多い
実際の性交では、前戯時間の希望は
- 「もっと長く」=43.5%
- 「同じでよい」=45.9%
- 「もっと短く」=10.6%
後戯時間の希望は
- 「もっと長く」=48.6%
- 「同じでよい」=47.6%
- 「もっと短く」=3.8%
挿入時間の希望は
- 「もっと長く」=37.8%
- 「同じでよい」=47.7%
- 「もっと短く」=14.4%
体位数の希望は
- 「もっと多く」=28.2%
- 「同じでよい」=53.6%
- 「もっと少なく」=18.3%
挿入時間や体位数よりも、前戯や後戯をより長く希望する女性が多いことが分かります。とくに、性交時になんらかの痛みを感じる女性(=65.9%)の多くが、挿入時間や体位数をより少なく希望しています。
パートナーとのよい関係に関心
よりよい性生活には、パートナーとの良好な関係が欠かせない
- 「勃起の持続」=48.5%
- 「陰茎の硬さ」=17.3%
- 「陰茎の大きさ」=10.3%
よりよい性生活を通して得られるもの(複数回答)では
- 「よりコミュニケーションが深まる」=67.0%
- 「より愛が深まる」=62.9%
- 「より幸せが得られる」=49.6%
満足のいく性交が日常生活に及ぼすよい影響に対しては
- 「生活が楽しいと感じた」=69.2%
- 「生活に張り合いが出た」=50.8%
- 「よく眠れるようになった」=36.6%
「性生活の実態」の質問結果と重ねると、よりよい性生活の実現には機能面の改善(陰茎の硬さと勃起の持続)ばかりでなく、パートナーとの良好な関係を築くことが欠かせないといえそうです。
ED治療が女性の性的魅力を高める?
「ED治療薬」に対するイメージ(複数回答)では- 「危険(安全でない)」=48.5%
- 「画期的」=32.5%
ED治療薬の服用経験者をパートナーに持つ女性のED治療薬に対する印象は「ある程度は期待通りだった」という回答が85.5%で「まったく期待外れ」は14.5%にとどまりました。
男性パートナーのED治療効果(勃起持続時間の改善)についてどう感じているかを尋ねる質問では「たいへん満足」「やや満足」の合計が34.9%という結果です。
ED治療が女性の性的魅力に及ぼす影響では「非常に魅力が高まった」「やや魅力が高まった」の合計が35.5%であったのに対し、「やや性的魅力が下がった」「非常に性的魅力が下がった」の合計は8.4%でした。
海外のある文献は「ED治療薬は有効な治療薬だが、女性パートナーの満足度が低いと男性患者に対する効果が下がる」と報告しています。
このことからも、女性がED治療に求めているのは決して男性の機能面だけでないことが分かるでしょう。
性生活は男女どちらか一方の欲求を満たすためのものではありません。双方が十分に満たされることで成り立つものです。ED治療薬は性生活の質を高めることにも有効でしょう。
※参考:「女性を対象とした『よりよい性生活』に関する意識調査(東邦大学医学部泌尿器科学講座:2007)
>>パートナーをその気にさせるピロートーク
>>性生活を苦くも甘くもする「ピロートーク」