性の健康について科学的に考える専門家の集まりである「性科学学会」(第6回)の報告によると、「ED(勃起不全、勃起障害)が夫婦生活に及ぼす影響」について、ED男性の23.6%、ED男性を夫に持つ女性の16.0%が「なんらかの影響を受けた」と感じているそうです。

年齢別では、40歳代がEDの影響を最も多く訴えており、その割合は男性の35.5%、女性の30.6%に及んでいます。
性的にアクティブな状態にある人たちの3割以上が、EDに伴う性的な不満を抱えているといえるわけです。

EDに悩む男性と、そのパートナーの間では、コミュニケーションの断絶が時に誤解を生じさせるともいわれています。ですから、豊かな性的関係を築くには、コミュニケーションを肉体、精神の両面で深めることが大切です。

潤いある人生にも働きかけるED治療薬 

学会における発表は、EDの男性とそのパートナーを対象とした調査に基づくものですが、「充実した性生活を過ごすための心構え」は、EDでない人にも通じるはずです。

ED男性の7割を占めるといわれる心因性(ストレスなどの精神的な理由によるもの)の場合、ED治療薬が治療の第一選択となっていますから、専門医の指導のもとで適切に服用すれば、早期の回復が期待できます。

ED治療薬には、ただ単に勃起不全を改善するだけでなく、満足のいく性交を可能にすることで、患者さんの生活の質を高め、潤いのある人生をもたらす大切な働きがあります。

その上で、心がけるべきなのは、パートナーとのコミュニケーションを深めることでしょう。
特に、性行為に伴うコミュニケーションでは、人間だけが持つ「言葉」が重要な働きをします。

性の価値観に対する男女の違い 

性に対する価値観の違いをお互いに理解し合うことが大切

性に対する価値観の違いをお互いに理解し合うことが大切

一般的に、男性の多くは、性交を含む性的な行為を通じてパートナーとの関係をより深めようとする傾向が強いようです。理屈よりも行動が勝るのです。一方、女性は、コミュニケーションを深めてから性交に移るという順序をごく自然に考えているようです。

こうした違いが生まれる背景には、性に対する男女の価値観が本能的に違っていることと関係があるのかもしれません。

それは、男性のオルガズムが一気に急上昇し、頂点を極めた後に急降下するのに対し、女性のそれは一定の状態を維持し続ける…といった生理的な違いとも無縁ではないでしょう。

挿入と射精で完結する男性の性的達成感に対して、女性はむしろ、挿入に至るまでのプロセスや雰囲気を大切にしたいと考えます。その大切な時間を演出するのが、言葉によるコミュニケーションです。

性感を高める作用がある低めの言葉 

いくら、自分がその気になっても、パートナーがその気にならなければ、性交は成立しません。では、パートナーの気分を盛り上げるには、どのようなコミュニケーションを心がければよいのでしょうか。

女性の乳房や会陰部には「パチニ小体」という神経が数多く分布しています。主に、圧迫感を敏感に感じ取る受容器として働くのですが、音にも強く反応するといわれています。

最も強く反応するのは、100~300ヘルツの振動です。成人男性が低い声で話した場合の平均値は200ヘルツくらいといわれているので、低めの声のささやきは、女性には心地よい刺激として感じられるかも知れません。
女性の気持ちを高めるような刺激的な言葉や表現を使えば、より効果的でしょう。

性的興奮を呼ぶ環境を整えることはとても大事です。言葉による刺激を補うために、マッサージなどをして、女性を心身ともにリラックスさせるのも、性感を高める効果があります。

言葉を使わないトークも効果的 

言葉よりも雄弁になる場合もある、無言のピロートーク

言葉よりも雄弁になる場合もある、無言のピロートーク

低めのトーンで囁かれる刺激的なフレーズは女性の性的興奮を高める上で効果的ですが、むやみに際どい言葉を並べればよいというものではありません。

相手のよいところを褒める、して欲しいことを甘えるように伝える、されたことで得られた快感を口にするなど、素直な気持ちを言葉に託せばよいのです。大切なのは、パートナーへの思いやりを忘れないことです。

愛の場面で交わされるピロートークには、言葉を使わない場合もあります。ため息や吐息、あえぎ声などで気持ちを伝えるのです。感じるときの気持ちを表す声の起伏は時に、言葉よりも雄弁に2人の心を通わせます。

感情のおもむくままに漏らす声や息遣いはパートナーをその気にさせるばかりでなく、自分をさらなる高みに誘(いざな)う上でも絶妙の効果をもたらすはずです。
ピロートークにおける、言葉と息との程よい調和は出来のよいカクテルのように、2人の愛の時間をより味わい深いものにするでしょう。

>>性生活を苦くも甘くもする「ピロートーク」


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。