ROE上昇と増配
シュルツ氏は1990年代の成功のあとに一時CEOを退きました。するとやみくもな成長追及で文化が薄れた上に、金融危機によって2008年ごろに経営と株価は危機的に落ち込みました。そこで「これはいかん」と8年ぶりにシュルツ氏が同年にCEO復帰を果たすと、再びV字回復を見せています。同じ10億円の年俸でもソニーのCEOと違い、これぞCEOの働きというべきものです。ROE利益率を構成する要素は3つあり、純利益率、資産回転率、財務レバレッジですが、それぞれどれが上がってもROEの上昇要因となります。同社では純利益率が上昇していることで近年ROEが回復して最高水準となり、株価上昇の元となっています。
また、成長企業で無配を続けてきた同社は2010年3月より四半期毎に配当を出すと発表しました。以後、好調な業績を背景にすでに2度の増配を行っています。スターバックスにとって大事なのは従業員と株主なので、今後も成長しながら株主還元をもたらすことを重要視されると思います。