重複すると何が問題なのか?
基礎年金番号が重複して発行されると、どのような問題が起こりうるでしょうか?年金は加入期間に応じて受給資格の有無が決まり、受給額も決まります。基礎年金番号が複数あるということは、それぞれの番号の下で別々に年金の支払い期間が管理されていることを意味します。そのため、受給資格期間が満たされない可能性が考えられます。
年金の受給資格は、25年(300ヶ月)以上保険料を支払うことで満たされます。ところが基礎年金番号が2つあると、それぞれに対して支払い月数がカウントされることになるため、本来は25年以上払っているのにカウントされないケースが考えられます。
例えば、ある人が30年間(360ヶ月)年金を払っていたとします。本来は25年以上払っているので、受給資格は満たされています。ところが、基礎年金番号が2つあると、30年間の中で2つの番号のもとで別々に年金を払っている期間があるケースが発生します。2つの番号を番号Aと番号Bとすると、番号Aに対して15年(180ヶ月)、番号Bに対しても15年(180ヶ月)と、それぞれに対して年金保険料を払っている期間があったとします。そうなると、どちらの番号も需給資格期間の25年を満たしていないので、将来年金受給ができなくなってしまいます。
考えられる人は今すぐ自分の年金番号のチェックを
将来年金のトラブルを防ぐため、1度自分の基礎年金番号が重複して発行されていないかどうか、チェックしておくのがいいと思われます。重複発行が考えられるのは、国民年金、厚生年金、共済年金など複数の年金制度に加入したと考えられる場合です。該当する人は、1度自分の年金番号が2つ以上ないか、確認しておくのがいいでしょう。
このような問題が起こった背景には、加入時のチェックの甘さが考えられます。今は多少なりとも改善されていると思われますが、年金加入時に加入者の年金番号をしっかり確認せず、加入手続きを進めてしまうことが以前はありました。
年金制度の信頼を維持するためにも、このような問題は再発を防いでほしいと願っています。