心室中隔欠損症
左右の心室の壁に穴があるのが心室中隔欠損症です
約500人に1人発症し、先天性心疾患の中で最も多い病気です。
穴の位置によって、症状、治療などが異なります。
- 1型(流出路欠損):大動脈弁に近い部分に穴がある
- 2型(膜様部欠損):最も多い
- 3型(流入部欠損)
- 4型(筋性部欠損)
症状は無症状が多いですが、穴の大きさによって、気管支炎や肺炎になりやすかったり、心臓への負担が大きくなって心臓の動きが悪くなる心不全になったりします。
心臓の音を聴く聴診によって、心雑音で発見されます。音だけで診断できうる疾患です。
穴は膜様部と筋性部にあるもので、小さいと、生後6カ月以内に自然に閉じます。大きな穴は肺への血液が多いため、生後1カ月頃に心不全のような症状を起こしますので、診断が必要です。
診断は、胸部X線で、心臓の大きさを見たり、心電図で左の心臓が大きくなっていることを確認したり、最終的には心臓超音波検査で診断できます。
心室中隔欠損症で心不全の状態だと、水分制限、尿を出しやすくする利尿薬、心臓の働きを強める強心薬が処方されます。
心臓への負担がかかっている場合は、1歳までに外科的に穴を閉じる手術が必要になります。1歳以上になっても穴の大きさに変化がない場合は、心臓カテーテル検査を行ない、肺への血液が体の血液の1.5~2倍になった時、つまり、穴から20%~33%の血液が左から右に流れる状態になると、穴を閉じる手術が必要になり、早期に手術を行います。
心室中隔欠損症では、血液に細菌が入ると心臓の内膜に細菌が侵入して炎症を起こす心内膜炎を起こし、治療に難渋することがあるために、予防が大切になります。予防は虫歯の治療を行う時に、抗菌薬を虫歯の処置の前に、大量に1回内服することが勧められています。
ともに、子供の心臓に多い病気ですので、穴が閉じるまで、医療機関で定期受診しましょう。