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50年後の未来へ走る鈴鹿サーキット(3ページ目)

50年の節目を迎えた鈴鹿サーキット(三重県)の歴史を振り返る特集。後編は隆盛を誇った80年代、90年代を振り返りつつ、未来に向けて走り続ける鈴鹿サーキットの今後のビジョンについてもご紹介します。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド


空前のブームを呼んだF1日本グランプリ開催

鈴鹿8耐を契機に国際化を一気に加速させた鈴鹿サーキットは1987年に大幅なコースと施設の改修工事を行い、1987年から「F1日本グランプリ」の開催を実現する。バブル景気が後押しし、F1はホンダや日本のスポンサー企業の参戦も伴って、空前の大ブームとなった。
87年

1987年F1日本グランプリのスタート 
【写真提供:MOBILITYLAND】



80年代後半から90年代前半のブーム期は、F1日本グランプリのチケットは抽選販売のシステムが取られ、チケット入手は非常に困難となり、プラチナチケットと化した。プラチナチケットであるがためにチケットが入手できることは高いステータスとなり、ブームに乗って多くの芸能人もF1を観戦した。またF1ドライバーやチームの広告が雑誌や新聞に大きく掲載され、テレビCMにもしょっちゅうF1が登場するなど、F1を中心としたモータースポーツは今では考えられないほどの一大マーケットになっていったのだ。
セナ

F1ブームの牽引役となったアイルトン・セナ。89年からのフジテレビF1中継では現在は「報道ステーション」のアンカーマンを務める古館伊知郎氏のプロレス風実況が人気を博し、セナは「音速の貴公子」の愛称で親しまれた。
【写真提供:MOBILITYLAND】



【80年代から90年代の主な広告、CMと出演選手】
アイルトン・セナ (昭和シェル石油、ホンダなどのCMに登場)
アラン・プロスト(昭和シェル石油などのCMに登場)
ジャン・アレジ (パイオニアのカーナビCMに登場)
中嶋悟 (EPSONのCMに登場)
鈴木亜久里 (TOSHIBAのノートパソコンのCMに登場)
など

【F1に参入した主な日本企業】
ホンダ(エンジン供給)、ヤマハ(エンジン供給)、スバル(エンジン供給)、レイトンハウス(アパレルブランド。マーチを買収し、チームとして参戦)、フットワーク(運送業。アロウズを買収し、チームオーナーに)、EPSON(スポンサー)、TOSHIBA(スポンサー)、PIONEER(スポンサー)、Canon(スポンサー)、MITSUKOSHI(スポンサー)、GEO(スポンサー)、SANYO(スポンサー)、FUJIFILM(スポンサー)、カルビー(スポンサー)、KOMATSU(スポンサー)、KENWOOD(スポンサー、技術供給)、JT日本たばこ産業(スポンサー)など
アレジ

50周年ファン感謝デーに出演した元F1ドライバーのジャン・アレジ氏。後藤久美子さんの夫としても有名で、ブーム期にはセナとの名勝負などで期待の若手として人気を博した。パイオニアのカーナビゲーションシステムのCMにも出演していた。今年は「INDY500」にレーサーとして復帰する予定。



90年代前半までは隆盛を誇ったF1だが、1994年にアイルトン・セナが事故死してからは徐々にそのブームも減速していった。しかし、それでも「日本グランプリ」の観客動員数は常に10万人を越える根強い人気がある。ただし、2012年に関していえば、フジテレビが地上波でのF1中継をやめてしまったことも大きく影響すると考えられる。鈴鹿サーキットは来年2013年まで「日本グランプリ」の開催を延長したが、現時点では(大きい意味では)小林可夢偉の活躍に期待するしか日本とF1の接点が無いのは何とも苦しい状況。F1日本グランプリ継続のためには、エンジンレギュレーションが変更される2014年以降の親会社「ホンダ」のF1復帰を願わずにはいられない。
ホンダ

これまで60年代、80年代~90年代、2000年代と3度に渡ってF1に参戦した。第4期の活動は果たして実現するのか? 
【写真提供:MOBILITYLAND】



次のページでは鈴鹿が作り出した「世界との接点」をご紹介!

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