アプフェル・シュトゥルーデル
バレンタイン前の冬時期にランチを予約して訪れた際、「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」限定デザートとしていただくことができました。伝統的なウィーンのデザートとして知られ、極薄く延ばした生地で、たっぷりのりんごとレーズンやくるみなどを混ぜ込んだものを包んで焼き上げたもの。薄く湿気やすい生地ですが、焼き立てのパリパリした食感が楽しめるのは、その場で出来たてをいただくデザートならではの醍醐味です。デザート内容も、もちろん、季節に合わせて変わっていくので、それも楽しみですね。
なお、レストランのシェフには、鎧塚氏が、ヨーロッパにいらした頃から才能を高く評価していたという古屋賢介氏を招聘。かつて鎧塚シェフがシェフパティシエを務めたベルギーの三つ星レストラン「ブリュノウ」でも修業し、フランス、スイスなどの名店を経て、ベルギーの一つ星「オーガストロニム」でシェフに就任した確かな実力の持ち主。
ランチとディナーは要予約で、ランチならば、アミューズ、本日のパン、2種から選べる前菜、魚か肉を選べるメイン、アイスのアヴァンデセール、メインデセールとドリンクで3500円のコースがあります。ボリュームもしっかりで、大満足の内容です。
リューベリトルテ(400円)
にんじんを使ったスイスの伝統菓子「Rübli torte」をヨロイヅカ風に。バーゼルの東寄りのスイスAargau(アールガウ)地方は、良質のにんじんが採れるため、このお菓子が有名だそう。すりおろしたニンジンとアーモンドパウダー、シナモンを生地に入れて焼くのが一般的で、粉糖をかけただけのシンプルな仕上げにすることも多いようですが、ヨロイヅカでは、クリームで周りを覆い間にもサンドして、クリーミーでやわらかな味わいにしています。
にんじんは、野菜独特の青っぽい匂いが気になるという方も多いところ、ナッツやクリームと合わさって、いい具合にマスキングされ、食べやすく仕上がっているのがさすが。マジパンで作られたにんじんの飾りが可愛らしいですね。
ちなみに、ケーキの中でも、「F」の茶色いタグがつけられているものは、「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」限定の印です。このケーキにも、いずれきっと、ファームで育ったにんじんが使われるのでしょうね。
それにつけても、鎧塚シェフは、何故この地に「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」をオープンするに至ったのか? 最後に、その経緯についてご紹介します。