よく分かるハウスメーカー/トヨタホーム

トヨタホーム 耐震性にも自動車のノウハウが生きる

トヨタホームの「耐震」についてのポイントをご紹介します。また関連する「工法・構造」についても解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

トヨタホームには、大きく二つの商品体系があります。一つは鉄骨ユニット住宅の「シンセ」シリーズ。もう一つは鉄骨軸組構造の「エスパシオ」シリーズです。ここではそれぞれの特徴を確認するほか、トヨタ自動車グループの自動車づくりのノウハウを生かした住宅づくりという点にも、注目してみたいと思います。

■トヨタホーム 「耐震」のポイント
  • ユニット工法
  • 鉄骨軸組構造
  • 制震装置「T4システム」

品確法で最高ランクの耐震等級3を実現

まずは「シンセ」シリーズについて。鉄骨ユニット工法というのは、単体でも強い柱と梁をボックス型に溶接して組み上げることをいいます。これにより躯体構造を高めるのですが、このユニットを複数戸集めることで、さらに優れた耐震性能を実現します。

ユニット生産

ユニット生産の様子。トヨタホーム自動車の代名詞「カンバン方式」により施工と品質について徹底した管理の下に生産が行われている(クリックすると拡大します)

高層ビルにも採用される鉄骨ラーメン構造であり、強靱なユニットを支える太い柱と梁の接合部には変形防止プレート(ダイアフラム)といわれる素材を用い、力が集中する接合部の変形を防止するといいます。

各ユニットには、工場内で内装材や設備機器、配線などの設置工事があらかじめ行われるため、現場での施工期間が短くなるのが大きなメリットの一つになります。こうしたことを「工場生産化率」というのですが、その割合は80%にのぼるといいます。

一方、「エスパシオ」シリーズの鉄骨軸組工法は、設計の自由度が高いのが特徴です。ラチス材と呼ばれる素材を使った柱を採用。これは中規模地震の揺れにはラチス材が受け止め、 大規模地震においてはラチス材が曲がることで吸収し、建物の倒壊を防ぎます。

二つの構造とも、標準仕様で住宅品質確保促進法の最高ランク耐震等級3を実現。また、ユニットや構造部材の生産にあたっては、トヨタ自動車の「カンバン方式」という品質管理の手法が取り入れられ、そのため耐震性や安全性の点で高い信頼性を確保しています。

自動車の技術を応用した制震システム

T4システム

制震装置「T4システム」。標準的な2階建て住宅の場合、4ヵ所に設置する。地震の揺れから建物の変形を軽減し、大切な資産を守る(クリックすると拡大します)

トヨタホームの地震対策を特徴付けるものに、制震装置「T4システム」があります。これも自動車づくりのノウハウを生かしたもので、自動車に用いられるショックアブソーバーの原理を元に開発されたものです。

大手ハウスメーカーに共通することにはなりますが、トヨタホームではこうした耐震性や制震装置の効果を実物大の建物を使った振動実験により確認。そうした点も信頼性を裏付けるトピックスとしてご紹介しておきます。

地震による建物の変形を約20%~70%低減させることが可能。2階建て住宅の2階部分については、揺れの大きさを30~50%低減できるそうです。これによって室内のクロスのシワや切れといった細かな被害も減らすことができ、大地震の後の補修も最小限に抑えられるといいます。

これは長く資産価値を維持するために大切な要素となりますね。なお、トヨタホームは住宅業界で最長クラスの60年保証「アトリスプラン」を導入していることも、あわせて付記しておきます。


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〈耐震〉 耐震性にも自動車のノウハウが生きる(本記事)
〈環境〉 自動車技術でスマートハウスをリード
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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