鉄道/鉄道デビュー・開業情報

日本一ゆたかな通勤電車、富士急6000系デビュー

JRの通勤型電車205系を譲り受けた富士急6000系は、デザイナー水戸岡鋭治氏の手により、見事な変身を遂げた。床のフローリング、木製のつり革は落ち着いた中にも温かみを感じる車内で、苦痛を感じることもある通勤通学を和ませる効果を持たせるだろう。「日本一ゆたかな通勤電車」と銘打った新型電車のすべてを紹介する

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

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富士急の新しい通勤電車6000系

富士急6000系

富士急6000系

「富士山に一番近い鉄道」と言われる富士急(大月駅~富士山駅~河口湖駅)は、富士山や富士五湖、富士急ハイランドを訪れる観光客のみならず、沿線の通勤客や通学生にとっての重要な足でもある。今回、富士急では、新しい普通列車用電車として6000系を導入したが、どこかで見覚えのある車両だと感じた人もいるに違いない。それもそのはず、6000系は、元をただせばJRの通勤電車205系だからだ。

仙石線205系

JR仙石線の205系の塗装は6000系に近い(撮影は震災前のもの)

今回デビューした車両は、かつて山手線、京葉線で働いていたもので、富士急に譲渡されるにあたって3両編成に短縮された。すなわち、10両編成のうち、クハ+モハ+モハの3両を取りだし、元は中間車だったモハに運転台を取り付ける改造を行った。

 

また、外観と車内インテリアに関しては、インダストリアル・デザイナー水戸岡鋭治氏に委嘱し、見違えるような車輛に変身させた。
富士登山電車

水戸岡氏がデザインした「富士登山電車」と下吉田駅待合室

富士急では、2009年にデビューした「富士登山電車」や下吉田駅、富士山駅(旧富士吉田駅)のデザインを水戸岡氏に任せている。従って、今回の6000系は、車両としては2つ目の「水戸岡デザイン車」ということになる。

では、6000系の外観から見ていこう。
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