1000兆円の借金は返済可能か?
1000兆円の借金を背負った日本はどこへ行くのか?
実際税収が45兆円程度しかないので、まともに赤字を出さないような予算を組むとしたら、バッサリと歳出をカットするしかありません。つまり、社会保障費をカットする(病気になっても3割負担ではなく、7割や全額負担になる)、地方交付金をカットする(地方に行くお金がなくなり、地方は衰退する)、公務員給与を50%カットするような方法です。しかし、これらは国民がまず了承しない(実際に多くの人にとって死活問題になる)ので、今の日本で実行するのはほぼ不可能でしょう。
もちろん増税して歳入を増やすのも手です。ただし増税をしても、その分、景気が冷え込んで税収は結局減ってしまうことが多いのです。ギリシャはこの負のスパイラルに陥っています。となると、まともな方法で借金を減らすのは「ほぼ不可能」ということになります。では、これからどうなるのでしょう?
国債の国内消化はいつまで可能か?
現在の日本の借金は95%が国内への金融機関などへの借金という、かなり特殊な事情があります。多くの国では外国への借金がかなり含まれており、それが返せなくなるとギリシャのようにデフォルト騒ぎになります。現在、日本は国内に貸しているお金が積り積もって1000兆円になったわけですが、いつまで続けられるのかが問題です。日本にある金融資産は約1400兆円と言われているので、その金額が国内で国債消化できる限度だという説もあります。ただ、実際はそんな単純ではありません。
資産が1400兆円ある一方、負債が300兆円程度あるので純資産は1100兆円程度だという説や、日本は経常黒字が続いているので、その分海外からお金が入り込み続けているという説もあります(この場合、経常赤字になると困る)。あるいは、国債を発行して調達した予算は国内に還流するので預金となり、再度国債購入に充てられるという説もあります。
いずれにせよ、いつかは「国内だけで国債を消化できなくなる日」が来る可能性が高いと考えられます。そうなると、これまでのようにひたすら国内金融機関に買ってもらうだけではなく、他の方法に頼らざるをえません。