大和ハウス工業の戸建て住宅には、鉄骨住宅と木造住宅の二つの商品がありますが、すべて「xevo(ジーヴォ)」シリーズに含まれています。その特徴は、いずれも「外張り断熱通気外壁」が採用されていることがまず第一点です。ここでは鉄骨住宅を中心にその地震対策を見ていきたいと思います。

■大和ハウス 「耐震」のポイント
  • 外張り断熱通気外壁
  • ジーヴォΣと「D-NΣQST(ディーネクスト)」が新登場
  • シームレス構造を取り入れた木造住宅「グランウッド」

長期間構造躯体の耐久性を維持する外張り断熱通気外壁

模型

「xevo」の外張り断熱通気外壁の模型。外装材の内側に通気層がもうけられ、その内側に防水シートや断熱材、構造材が配置されている。これにより、構造部材の耐久性や省エネ性能を高めている(クリックすると拡大します)

「外張り断熱通気外壁」についてですが、これも建物の耐震性に大きな影響があります。というのは、壁体内の通気をしっかりと行えることが、建物の耐久性を保つことにつながるからです。具体的には、外装材のすぐ内側に通気層をもうけるというもの。

外からの水気や、壁体内の結露を起こさせないようにすることで、建物の構造躯体を長期にわたって健全な状態に保てるという理屈です。いくら丈夫な構造材を使用していても、それらを健全に保つ技術が伴わなければならないという、当たり前のことを大和ハウスはしっかりと考えているわけです。

また、これは構造体全体を断熱材で包み込むことで、建物の外の暑さや寒さをシャットアウトし、省エネ性を高める役割もあります。従来、外張り断熱は鉄骨系では難しいとされてきましたが、それを初めて可能としたのが大和ハウスの「xevo」なのです。

さて、鉄骨系の「xevo」は軽量鉄骨造。その躯体は鉄骨軸組という構造になります。これは木造軸組を鉄に置き換えたようなものと考えてください。柱と梁、筋交い(ブレース)組み立てられるのが基本イメージです。これにより木造軸組に近い設計の自由度を確保しています。

ジーヴォΣに標準搭載「D-NΣQST」

制震

「xevo」の制震デバイス。地震の揺れを熱エネルギーに換え、地震の揺れを吸収する「粘弾性体」といわれる素材が組み込まれている(クリックすると拡大します)

耐力パネルというものを建物の要所に設置して強度を向上させる工夫を採用。 加えて「トリプルコンバインドシステム」という独自の工夫を用いて、より耐震性の高い構造体を形作ります。いずれにせよ鉄骨材がしなやかに変形することで、地震の揺れに耐えるというのが大まかな考え方です。

大和ハウスでは、これに加えて「制震」と「免震」にもオプションで対応しており、耐震をあわせて「DAEQT[ディークト]」と呼称しています。このうち「制震」については、「制震パネル」というものを建物の数カ所に設置します。

パネルには「粘弾性体」と呼ばれるものを挟み込んだ制震デバイスが備え付けられ、地震の揺れを粘弾性体が熱エネルギーに換え、変形することで吸収する仕組み。繰り返しの揺れにも耐えられ、建物が大きな損傷を受けるのを防いでくれるので、長期間安心して住み続けられるというものです。

2014年1月発売には「ジーヴォΣ(シグマ)」が発売されました。これは新構造体の採用いに加え、エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」を全ての耐力壁に標準搭載しているのが特徴。地震エネルギーを「Σ形デバイス」に集中させることで、柱や梁の損傷を防ぐものとなっています。

また、従来の軽量鉄骨造と比較し、揺れ幅を最大で3分の2に軽減させ、建物全体の損傷も最小限できる上、繰り返しの揺れに対する建物への影響もさらに軽減できるといいます。また、従来と比較して最大で約2倍の強度となった耐力壁によって、今まで以上の大空間・大開口が可能になっています。

鉄骨系住宅ではこのほか重量鉄骨造の商品もあります。2015年10月に発売された新「スカイエ」は3~5階建てに対応するもの。2種類の柱サイズ、3種類の大梁サイズを用意し、複数のバリエーションを使い分けることで、高い強度を保ちながら、より自由度の高い設計をできるようにしました。

例えば、複数台の車を並列することができるビルトインガレージやさらなる大開口、店舗用大空間などのプランを実現できます。なお、制震装置「フリクションD」は5階までに対応する住宅業界初のシステムです。

一方、木造住宅も用意されてます。2013年発売の「ジーヴォ・グランウッド」の発売に伴い、強度・断熱を考慮した「シームレス一体スラブ基礎」を採用。これにより強度の高い構造基礎となり、構造躯体は業界最長クラスの50年保証を実現しています。


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