“開く準備”は整っていた
ブランド6番目のモデルとして登場したオープントップ2シーター。ミニクーペにも採用されている3ボックスボディ構造が取り入れられた。1.6リッターエンジンを搭載するクーパー(6AT 347万円、6MT 334万円)、1.6リッターターボのクーパーS(6AT 377万円、6MT 364万円)、スポーツモデルのJCW(6MT 451万円)をラインナップ
ミニファンにとって、クーペ&ロードスターモデルの存在は、’09年にコンセプトカーが登場したときから、すでに“頭のガレーヂ”に入っていただろうし、現実にクーペが登場するにおよんで、ロードスターのデビューもカウントダウンとなったことだろう。
なにしろ、クーペを見て、「屋根を開けてみてヨ」と真剣に聞いてくる(ミニファンではない)人が(しかも複数)いたくらいだったから、よっぽど“開く準備”は整っていたということか。
そういう筆者も、クーペのリアウィンドウまわりを見て、決して開かないと分かっていても、ひょっとしたら開くんじゃないか、と不思議な気分に何度かなったものだ。
“ミニには既に4シーターのコンバーチブルもあるのだし、どうしてわざわざ2シーターのロードスターが新たに必要なの? ” なんて聞くのは野暮というもの。
電動ソフトトップをもつミニのオープンモデル、ミニコンバーチブル。2009年に2世代目へと進化している。価格は302.5万~440万円。電動ソフトトップの開閉時間は約15秒、時速30km/h以下であれば走行時でも開閉可能
ローライドのスリムデニムのようなもので、“ちゃんとしたのが他にあるのに、どうしてこれが要るの?”という声が大きければ大きいほど、ミニというブランドは成功する。
それだけ、乗る人にとっては、ほかとの差別化がハッキリしているということなのだから……。自動車における、ニッチな大成功例である。