iPhone Siriにもついても技術を提供
同社は最新機iPhone4Sの目玉である、「Siri」というパーソナルアシスタント機能についても技術を提供している模様です。音声をテキスト入力するだけではありません。同社のスピーチソリューションはコンタクトセンターで約7割のシェアを持ち、さらに自動車の中、他にも医療の現場など、様々な状況で技術が役に立っています。
例えば運転中にナビに話かけることで自分の声紋を認識させ、その後「(英語版ですが)Traffic」と発声すれば近隣の交通情報を流してくれます。そして渋滞が起きているという情報が流れたら、すかさずそこで「Give me the details」と話言葉で言えばその意思が認識され、「~で交通事故が起きています」というような情報に切り替わります。そこでさらに「Find out an alternative route」と命令すると、すぐに渋滞を避ける周り道がないかどうかを調べて応えてくれる、といったSF映画並みのことがすでに実現されています。
デスクトップ型PCにおいても、起動と終了や、eメールやインターネットソフトの立ち上げ、または検索なども、話かけるだけで一切マウスやキーボードを使わずこれらの操作を行うこともできます。携帯等に入ったをインスタントメッセージを自動音声で読み上げ、それに対して相手に「Yesと返事して」と言えばメールの返信も自動でくれます。
医療現場においても活躍する同社の音声認識技術
運転中もそうですが、医療の現場においても、診断や処置を施している最中に文字を書くことはできませんので、音声でメモやカルテを入力することが重宝されています。同社の医療向けソフトウェアは全米の4割近い医療機関で採用され、5億ドルを超える売上で、部門別で最大となっています。日本においても同社の音声認識技術を使った医療向けソフトは、東証一部フューチャーアーキテクトグループのアセンディアという会社より、「Medi Talk for Dragon Speech」という製品名で発売されています。
部門別で医療機関向けに次ぐのがモバイル/消費者向け部門、そして企業向けが続きます。また音声認識技術だけでなく、PDFファイルへの変換、編集などの画像/イメージング/ソリューションを行う部門も1.8億ドルあり、第4位の業務へと成長しています。
同社の技術の使い道は、まずデバイスとしては、PC、携帯、ゲーム、電子辞書などのほか、自動車、ロボット、ネットワークを通じた自動応答システム、コールセンターなど幅広く利用されます。さらにソリューションを提供する場面別に見ても、医療、通信、金融、運輸、教育、官公庁、福祉など、様々に利用できます。
参考:日本人が知らなかった海外投資 米国株