離婚の話し合いは心身を消耗させる
離婚にまつわるストレスやエネルギーの消耗を軽減するためにも「お試し別居」に踏み切る夫婦が増えています
離婚にまつわる話し合いは、たとえそれが修復に向かうとしても、重苦しい雰囲気になってしまうものです。シングルのときの男女交際とは異なり、結婚には責任もともなうため、「愛情がさめたから別れよう」というわけにはいきません。
昔から、「離婚にはエネルギーが必要」といわれていますが、これは真実です。結婚するときは、将来に向けてのおしゃべりがキラキラと輝いて楽しかった反面、離婚に向けた話し合いは正反対。お金や住まい、仕事や子どものことなど現実的な問題をひとつずつ解決していくことはとても心身が消耗することだからです。
<目次>
離婚の話し合いが煮詰まったら……お試し別居なら、冷静な判断ができる
話し合いが煮詰まって、答えを出せそうにならないところまで追い込まれてしまったとき、私がおすすめしているのは「お試し別居」です。「お試し別居」とは、本格的な別居ではなく、あくまでも拠点を自宅に残しつつ、一定の期間、夫婦のどちらかが家を出て暮らすことを意味します。離婚か修復か、この先の自分の人生をしっかり見直すためには、冷静に考えて正しい判断をしなくてはなりません。やけになって決定したことにより後悔してもはじまりません。「お試し別居」で相手と距離を置いて生活をしてみることにより、自分を客観的に見ることができるのです。
お試し別居には実家やウィークリーマンションを活用する
一般的な「お試し別居」としては、妻が自分の実家に身を寄せるという方法です。気心知れた家族であれば、離婚についてのシリアスな話題が中心にならずに済むという面もあるので、たまっているストレスを軽減できるリラックス効果もあります。実家に身を寄せることが不可能な場合は、ウィークリーマンションなど短期契約できる物件を借りるという方法もあります。最近では、家具が完備されていたり、初期費用が比較的安くなっている物件も増えています。
お試し別居のメリット……スムーズな話し合いができる
夫婦が生活をともにしないことで冷静な判断やスムーズな話し合いができることが「お試し別居」のメリットです
気をつけたいのは、「自宅から離れ過ぎた場所を選ばないようにする」ということ。「お試し別居」した先があまりにも自宅から遠いと、パートナーと会う機会をセッティングしにくくなります。
また、あくまでも「お試し別居」なので、本格的な別居とは異なる点をしっかりと理解しておくことも必要です。なぜなら、自分の荷物をすべて運び出して新しい生活をイチからスタートさせるような本格的な別居となると、そのまま離婚につながるパターンもあるからです。まだ離婚か修復かを迷っている話し合いの段階であれば、「お試し別居」はよりよい選択をするための手段のひとつなのです。
子どもがいる場合は事前に学校に説明を
子どもがいる場合は、トラブル回避のために学校へは「実家の手伝いで一時帰省をする」等、相応の事情をあらかじめ説明しておくとスムーズにいくでしょう。自宅から離れすぎない場所をおすすめする理由は、子どもの学校の問題も含んでいます。できるだけ子どもには負担をかけないような選択を心がけましょう。離婚後の生活をお試し別居でシミュレーション
お試しとはいえ、いざひとりで生活をしてみると、さまざまな苦労や思いがけない発見があることに気がつきます。お金の使い方や精神的な不安など、もしも離婚という道を選んだ場合に待っている問題に早くも直面することにもなります。離婚後の生活をシミュレーションするためにもいい機会と思えば、「お試し別居」は“気づき”のチャンスでもあります。離婚にかかわるエネルギーやストレスを減らすためにも、決断は慎重にしたいものですね。
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