マカオGPの前座のスーパーカーレース
F3やWTCCで有名な「マカオグランプリ」。実はこの2つのレースだけではなく、様々なローカルレースも開催される。かつてはスクーターのレースなど、超ローカルなものまであったが、最近盛り上がってきているのが夢のスーパーカーによるGTレース「Macau GT Cup」だ。Macau GT Cup 【Photo: CGPM】
FIA-GT3車両が大ブレイク中!
「Macau GT Cup」にはここ数年世界的にブレイクしているFIA GT3というレース車両規定に基づいた市販のレース仕様車が出場する。FIA GT3は改造範囲を抑えた市販車にかなり近い仕様のレーシングカー規定で、各メーカーはそれぞれのフラッグシップモデルをFIA GT3車両として登録し、販売している。Macau GT Cup 【Photo: GCM】
コストの高騰を防ぐために、パーツ類も一括して各メーカーが管理をしており、シーズン中の新パーツの投入もなければ、チームでの独自のパーツ開発なども一切許されていない。指定された部品以外を使用してレースに出場すると、それ以降パーツや車両を売ってもらえなくなる可能性があり、そういった約束とお互いの信頼のもとに成り立っているカテゴリーといえる。
その分、レースにまつわる作業とコスト管理は実にシンプルとなり、1台購入すれば様々なレースに出場可能であることから、世界中のエンスーたちに人気の的になっている。
地下に設けられたMacau GT Cupのピットガレージ。普段は香港行きの国際フェリーの利用客向けの駐車場になっている場所だ。
ジェントルマンドライバーたちの闘い
低コストでレースを、と言ってもクルマがスーパーカーだけに誰でも気軽にという料金体系ではない。GT3のターゲットになっているのは、ビジネスで大きな成功をおさめ、その豊富な資金で自らハンドルを握ってレースを楽しむアマチュアドライバーたちである。近年、彼らのようなドライバーは「ジェントルマンドライバー」と呼ばれており、会社の宣伝ではなく、あくまで自分のホビーとしてレースと旅行を楽しんでいる人たちだ。GT3車両は開発テスト走行を行う必要がなく、シンプルに自分の腕を磨くことに専念できるので、忙しい彼らにとっては実に好都合な遊び道具といえる。Macau GT Cup
FIA-GT3車両で出場できるレースは、ヨーロッパで開催されるFIA-GT3選手権がある他、日本ではSUPER GTのGT300クラス、スーパー耐久シリーズのST-Xクラスで走らせることができる。また、ヨーロッパや日本に留まらず、最近ではアジアでもGT3のレースが盛んに行われており、今回は「GT ASIA」というアジア選手権シリーズの最終戦として「Macau GT Cup」が開催された。
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