資産運用

長期投資家が見る2012年の世界と日本の3つの課題(2ページ目)

2012年はどんな年になるでしょうか?欧州債務危機、米国大統領選挙そして日本の一体改革。どれも待ったなしの状況においこまれていますが、長期投資家にとっては大きなチャンスでもあります。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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日本のアキレス腱を狙う投機マネー

日本では復興需要を見込んだ経済成長が予測されています。確かに、国際的に見ても大きな問題は抱えていない割りに株価が安く放置されており、来年こそ日本株復活の年となるといいのですが……。

心配なのは、国債金利と為替レートです。どん欲な投機マネーが過大な債務に苦しむ国の通貨と国債を売り浴びせることで、欧州危機は深刻化しました。おかげで、株式市場も乱高下を繰り返して不安定になっています。投機的なマネーが欧州の次にどこを狙うか?

彼らが、世界一の借金大国である日本の国債やドルユーロの避難港となった日本円を標的にし出したら、ちょっと背筋が寒くなります。日本政府が「社会保障と税の一体改革」を本気で推進して、国の借金が増え続ける現状にストップをかけることが本当に重要な時期に来ました。2012年はそのタイムリミットとも言えるかもしれません。

不安におびえない長期投資家

2012年に重要な3つの課題は次の通りです。

  1. 欧米で新しい政治的指導者が登場するか?
  2. 新興国がインフレ対策をうまくやり切れるか?
  3. 日本の財政再建がスタートできるのか?

いずれにしても、不安定が続く株式市場において、長期投資家は絶好の仕込みどきを迎えています。小さなピンチやクラッシュにおびえずに積極的に投資していければ、安値を拾うチャンスに恵まれる年であると楽しみにしています。

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