路面電車の先進地域・富山
富山地鉄は普通の鉄道路線のみならず、路面電車が走る富山市内軌道線も運営している。古めかしい車両も多いが最近では新型車両「サントラム」も登場している。そればかりか、富山市の中心部に環状線を復活させ、「セントラム」という斬新な低床式車両を走らせ脚光を浴びた。映画では、立山連峰をバックに市街地の道路上を市内軌道線が走るシーンが印象に残る。
このように、富山地区で路面電車がスポットライトを浴びるきっかけとなったのが、2006年の富山ライトレール開業である。元々はJR西日本の富山港線をリフレッシュした路線だが、最新鋭の路面電車タイプの車両を走らせ、本数を大幅に増加させることで大成功した。クルマ中心の街づくりから鉄道を中心とした街づくりへと転換させることにより少子高齢化に備え、中心部の空洞化に歯止めをかける施策として注目を浴びている。
この富山ライトレールは映画中にも登場している。三浦友和演じる運転士の妻(余貴美子)が介護の仕事のため岩瀬浜へ向かうときに乗車するのだ。環境に優しく、使い勝手のよいライトレールがすっかり市民の足になっているのを実感させるようなワンシーンである。
ライトレールと同タイプの車両は、富山県西部の高岡を起点に射水市を走り抜ける万葉線でも活躍している。