和の伝統がイメージのグリーン車
まずは、11号車から車内に入る。現行のE3系同様、ドアの下は、ステップが飛び出ている。これは盛岡~秋田の「秋田新幹線」は線路幅を広げた在来線であるため、車両の規格は在来線並となり、東北新幹線内では、車両とホームの間に隙間ができるためである。なお、列車走行中、ステップは車体内に収納される11号車のグリーン車は、定員23名。真ん中の通路を挟んで2人掛けシートが並ぶ。ドア寄りの片側だけが1人掛けシートとなり、車イス対応スペースである。インテリアは、秋田の伝統工芸である楢岡焼の釉薬(うわぐすり)「海鼠釉」の青色と「川連漆器」の漆の茶色をベースした伝統的な落ち着いた空間を演出している。サービス面では、電動レッグレストを備えているほか、全座席に電源コンセントがある。
実りの秋をイメージした普通車
12~17号車の普通車は、在来線車両並のサイズのため、通路をはさんで2人掛けシートがずらりと並ぶ。12号車の1席だけが1人掛けシートで、車イス対応だ。秋田こまちの実りの秋をイメージした黄金色のシートは明るく快適な雰囲気を醸し出している。座席が収穫期の田圃を思わせるならば、通路は田圃の中の一筋のあぜ道を連想させる。それを表現したのが、稲穂の影を思わせる床のデザインだ。乗りこんだときから、車内には秋田ののどかな空気が漂い、早くも目的地へのあこがれがつのる