強皮症の検査
疑われる場合、まずは血液検査を行い、皮膚に病気が起こるので、皮膚生検を行います。血液検査では、膠原病のチェックとして、炎症で値が上昇するCRPというタンパク質、血液を棒に入れて立てておき、1時間で赤い部分がどれだけ下がっていくかどうか見る血沈を行います。さらに、関節リウマチで陽性になるリウマチ因子、自分を攻撃する抗体である抗核抗体、抗体抗体の中にある、Scl-70抗体(抗トポイソメーラゼI抗体)、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体を測定し、陽性であれば、強皮症の可能性があります。
皮膚の一部を取り出してみる皮膚生検、肺線維症などを見るために胸部X線や胸部CT検査を行います。心臓の機能や腎臓の状態を見るために、心臓超音波検査、腹部超音波検査を行います。
強皮症の治療
それぞれの症状、臓器に対して治療を行います。皮膚の硬化などの症状に対しては、主にステロイドが使われます。ステロイドの効果が無い時には、シクロスポリン、シクロホスファミドなどの他の免疫抑制剤あるいは免疫調節剤が使われます。
肺の病気には、シクロフォスファミドの効果が報告されています。禁煙は必須です。肺高血圧には、降圧薬(カルシウムを下がる薬)やプロスタサイクリンという肺高圧に効果のある薬を使います。
逆流性食道炎に対して、胃酸を抑える市販薬にもあるH2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬という胃酸の産生を抑える薬を使って、胃酸の逆流による炎症を防げます。脂の少ない食事など食事療法も大切です。
腎臓の病気では、血圧を下げる薬、ACE阻害薬を使用します。
このように、炎症を抑える基本はステロイド、免疫抑制薬ですが、様々な症状に応じた薬が必要になります。
強皮症の予後
限局型強皮症は、皮膚の硬化の進行はないか、あってもゆっくりで、食道、肺、腎臓など内臓の病気もありませんので、定期検査をしておきましょう。一方、全身型では、発症から5年ぐらいで皮膚の硬化が進行し、内臓の病気が出てきます。皮膚の硬化はよくなることもありますが、内臓の病気は進むとなかなか治りませんので、進行をできるだけ抑えるための治療が必要です。
内臓の病気があるかどうか、特に、肺高血圧、肺の病気があるかないかは生活の仕方そのものへの影響がありますので、強皮症と診断されると、定期的な検査をして、進行をできるだけ抑えましょう。