消費者に誤解や不審を招く「ナンバーワン」も
問題は、B社がチラシ広告(この部分、少し記憶があやふやです)の中で「(当社は)注文戸建て住宅ナンバーワン」と表記していたことでした。実はその表記にはカッコ書きがあって、小さく「地域ビルダー部門」と表記されていたのでした。ハウスメーカーが競い合うものの一つとして、居住空間の快適性もある。断熱(Q値)や気密(C値)に関する研究開発も進められ、各ハウスメーカーごとに公表されている
もちろんこのようなあやふやな表記・表現は、消費者の誤解や不審を招く恐れがありますから公正な取引に違反する可能性があります。この件がそこまでの大騒ぎになったかは記憶が定かではなりませんが、住宅の世界でいうナンバーワンやランキングにはそんなケースがあることを是非知っていただきたかったのです。
もう一つ、この件から注目すべきことがあります。実は「地域ビルダー部門」という表現にお墨付きを与えた調査研究機関があるのです。民間の会社なのですが、通常は前ページでご紹介したような項目について地道に調査し、貴重な統計とアドバイスを住宅業界に提供しています。
消費者心理に影響を与えるナンバーワンの価値
しかし、こんな表現を助長したとなるとこの調査会社の信頼性に「?」マークが付きますよね。そもそもこの表現にどれくらい意味があるのかは大変疑問です。地域ビルダーというグループがどのような規模の会社、どのような事業活動をしている会社の集まりなのか、不透明といわざるを得ません。ハウスメーカー間の「ナンバーワン」アピール合戦が行われている。住宅展示場や見学施設などでその裏付けをしっかりと確認して、納得できる住まいづくりを目指したい
とまぁ、これくらい「ナンバーワン」という事実には価値があるわけです。それは住宅業界だけでなくて、自動車や家電などといった業界であっても同様です。消費者の購買心理に大きく影響しますから、企業側にとっては神経質になりますし、だからこそナンバーワンの奪取に努力をするのです。
で、この記事の結論ですが、皆さんにはハウスメーカーのナンバーワンには信頼できるものとそうではないものが混在しているということをご理解いただきたいのです。とくに注文住宅は「オンリーワン」の住まいづくりの世界です。
ナンバーワンやランキングも客観情報の一つとしてある程度参考になりますが、皆さんの目でその事実を確認、体験して、納得して住まいづくりを進めることが大切だと思います。
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