運転の楽しさを味わいたいならエルグランド
アルファード/ヴェルファイアの競合車といえば、日産エルグランドが真っ先に頭に浮かぶ。現行型は、駆動方式を従来のFRからFFに変更、商用バンのフィーリングが残っていた走りが高級ミニバンにふさわしい質感に進化したこともあり、ミニバンであってもクルマを運転する楽しさは味わいたい、といったユーザーに最適だ。低い全高と低フロアで、ミニバンにありがちなコーナーでの不安定さは皆無。全長と全幅は大きくなったが、全高を90mmも下げ、フロア高も低くすることでワイド&ローのスタイルを手に入れるとともに、重心の低い走りと乗降のしやすさも獲得。頭上空間の広さは3列どこに座っても少し背の高いワゴンという印象で、もちろんサードシートまで大人が座れるフットスペースを確保している。
エンジンは3.5L V6と2.5L 直4の2本立てで、人気は専用エアロパーツでスポーティかつ迫力を増した「ハイウェイスター」に集中している。
ロングクルージングを楽しむならエリシオン
ホンダのエリシオンは、ラージクラスで「低床+低重心」をいち早く実現したことで知られている。低床化のメリットは、乗降のしやすさといった実用性だけでなく、コーナーなどでの安定感が高まるなど走行性能のメリットも大きい。ラージクラスでは後発モデルとなるものの、同カテゴリで「低床+低重心」を先駆けて取り入れたエリシオン。特に、V6エンジン+VTECを積んだ「プレステージ」はパワフルで、ロングクルージングにもぴったり。販売価格は273万~461万円
全高は低めでも両側スライドドアを採用し、ミニバンらしい使い勝手を実現。サードシートの居住性はライバルよりも若干劣る印象だが、セカンドシート、サードシートにチップアップ&スライド機構を用意して主に荷室長を拡大しやすいような配慮もされている。キャンプやマリンスポーツなどの道具を積み込み、2/3列目をさらにフルフラットにすれば2人で仮眠も取れる点も大きな魅力となる。
ラインアップは、2.4リッター直4エンジンを積むエリシオンと専用のフロントグリルなどを装着して高級感をアップさせたエリシオンプレステージの2モデル。後者はホンダV6エンジン+VTECによるパワフルな走りを楽しめる。とくに高速道路を使ってロングクルージングをする機会が多い人にオススメしたい。
悪路もこなすアクティブ派のデリカD:5
長くパジェロを看板モデルとしてきた三菱らしく、ラージミニバンのデリカD:5も悪路走破性の高さを誇る。雪道や砂浜、林道などでも躊躇なく走れるミニバン最強の走破性は、スキーやマリンスポーツ、登山などアクティブな趣味をもっているユーザーも満足させるはず。悪路も難なくこなせるデリカD:5。比較的車高が高くボクシーなスタイルで、サードシートでも頭上は広々だ。ラゲッジも柔軟に広さを調整でき、高い悪路走破性と相まってアクティブな家族におすすめのモデルだ。販売価格は221万~376万円
実は全長は4.7m台で、全幅は1.8mを切るという、ラージミニバンの中では比較的小さなサイズだが、全高が1.8m台後半であるため数値以上に大きく見える。背が高く、ボクシーなスタイルなので、サードシートでも頭上空間には十分な余裕がある。さらにサードシートのスライド機構によりフットスペースとラゲッジの奥行きも自在に調整できるため、居住空間の充実度は群を抜く。1列目に夫婦が座り、2/3列目に子どもが3~4人座るという使い方にも向いている。大家族や子どもの友達を乗せるにも最適だ。
ラリーなどで培ってきた技術を投入したオンデマンド式の4WDのほかに、エアロパーツをまといローフォルムを主張する2WDの「ローゼスト」も用意する。さらに、クロスカントリー系ミニバンならではのデリカD:5の特徴として、車高を下げるのではなく上げる(リフトアップ)というカスタマイズにも対応できる。