ひとくちに「ミニバン」と言っても……
3列シートを有するのがミニバンの定義だとすると、ミニバン大国の日本には、コンパクトからミドル、ラージと多彩なサイズがあり、ボディタイプもBOX型やステーションワゴンスタイルまで、じつにバラエティに富んでいる。中でも各メーカーが力を注いでいるのが、価格的にもサイズ的にもそして居住性でも頂点に君臨するラージサイズ・ミニバンだ。そこで今回は、各社がノウハウを惜しみなく投入している人気のラージサイズ・ミニバンを乗り比べることで、その魅力に迫っていく。トップバッターは、2011年9月27日にマイナーチェンジを受けたトヨタ・アルファード/ヴェルファイアだ。
アルファード/ヴェルファイア、ともにハイブリッドが登場!
今回のアルファード/ヴェルファイアのマイナーチェンジ最大のトピックはハイブリッドモデルの設定。ハイブリッドモデルは両車とも11月下旬からの発売。アルファード ハイブリッド SR“Cパッケージ”(7人乗り・4WD、565万円)。アルファードの販売価格は300万~565万円
アルファード/ヴェルファイアの魅力といえば、堂々たるボディサイズに、迫力あるフロントマスク、高級車然としたエクステリア、滑らかな乗り心地やスムーズな走りといったところ。「大型ミニバン=広大な室内空間」というミニバンの方程式に則っているのはもちろんだが、その上で、数あるラージミニバンの中でどう差別化していくのか? トヨタの回答は、ミニバンというジャンルを超えた「新しい高級車像の提案」であると、新型に乗った瞬間に気付くはずだ。
新型アルファード/ヴェルファイアで注目したいポイントはふたつ。ひとつ目は、フロントグリルやバンパー、バックランプなどのデザインに一層迫力を持たせたこと。ラージミニバンならではの押し出し感をより際立たせた。そしてふたつ目が大きなトピック、ハイブリッドモデルの追加である。ハイブリッドは、初代アルファードには設定されていたが、残念ながら08年のモデルチェンジ時ではカタログから落ちていた。復活を望む声に応える形での今回のラインアップは、ラージミニバン戦線に旋風を巻き起こすことは間違いない。
長距離移動が多いファミリーにオススメしたい
アルファード ハイブリッド G “Lパッケージ”(7人乗り・4WD。550万円)の室内。二列目のエグゼクティブパワーシートの快適性が素晴らしい。大型フットレストとパワーオットマンで長距離ドライブもストレスなく楽しめる
アルファード/ヴェルファイアはその迫力ばかりが注目されがちだが、実は長距離移動の多い、ファミリー層にうってつけの実用性も兼ね備える。とくに「エグゼクティブパワーシート」や「リラックスキャプテンシート」は、シートサイズが大きく、オットマンなども付く。さらにキャプテンシートは超ロングスライド機構により、足元も広々しているので、ロングドライブでも快適に過ごせるのだ。足腰の弱いお年寄りにも好評、という話も納得だ。