夢と天国を足して2で割って10を掛けたような週末
今年もモントレーの週末は熱かった!世界不況なんて、どこへやら。今年の夏も、西海岸はモントレー近郊の街街に、古今東西/老若男女のクルマ好き(バカともいう)が大集結。各種イベントやレース、オークション、パレードを楽しんだ。
筆者もこれで十数回めの“見物”(いつかはクルマを持ち込んで参加してみたいものだなあ)となったが、毎度毎度、度肝をぬかれっぱなし。クルマ好きにとっては、本当に夢と天国を足して2で割って10を掛けたような週末なのである。
そんなモントレーの週末を精密微細にお伝えすることは、なかなか難しい。というのも、その週末に目撃する車両(イベント参加のみならず、見物客のクルマも凄い!)の質と量がハンパないからで、とうてい数ページの分量では間に合わない。こりゃ面白そうだ、来年は行ってみようか、と思っていただければメッケもん、ということで、今年もテーマを絞って紹介することにした。
(2011年のモントレーウィークエンドの詳細に関しては、近々、筆者責任編集で刊行予定の電子カーメディア“CARZY”創刊2号にて、詳しく報告する予定です。お楽しみに)
テーマはずばり、“あなたの知らないフェラーリたち”。
50年代、60年代のクラシック・フェラーリの価値は、この数年、特に911テロ以降、数倍~数十倍にまでなっている。その理由は、簡単で、数が少ないフェラーリだから。
なかでもこの年代は、カロッツェリアが全盛の時代で、ユーザーが好みのボディスタイルを発注することもできた(フェラーリは優秀なシャシーとパワートレインを提供していたようなもの)ため、そもそも生産量が少ないうえにスペシャルデザインが多い。
さらには現代でいうところのコンセプトカーやプロトタイプモデルも“明日の資金”のため、惜しげもなく売り出されたことから、“ホンマにこれがフェラーリ”という貴重なモデルもあったりする。
もうひとつ、この年代のフェラーリの多くは、そのままの格好でレースに出ていた、というよりもレース用車両がそのまま街を走っていたため、歴史的なストーリーも付加価値となって、クルマの値段を釣り上げるのだ。
事実、今回、ペブルビーチで行われたオークションのひとつ、グッディング&カンパニーでは、57年式フェラーリ250TR(テスタ・ロッサ)プロトタイプが1639万ドル!! で落札されている。円高の今でも、換算すれば13億円、実際の感覚としては優に20億円以上だろう。