重要視されるスマートフォンのセキュリティ対策
人気上昇中のスマートフォンですが、パソコン並に多機能なことで問題もあります。パソコンと同様のコンピュータウイルス感染などの問題や、ケータイでも問題となっているスパムや不正アクセスです。こういうと、すぐそこまで危険がいっぱい迫っていると思われがちですが、まだスマートフォン向けのウイルスやマルウエアはパソコンに比べて数も少なく、まだ被害も少ないのが現状です。
しかし最近、ネットニュースなどでスマートフォン向けのウイルス感染が報道され、パソコンソフトメーカーが相次いでスマートフォン向けのセキュリティソフトを発表しています。
今回はスマートフォンのセキュリティ対策について解説します。まずはウィルス対策から。
スマートフォンのウイルス対策
現在、ウイルスやフィッシング詐欺などのネット犯罪は、組織化・プロ化されており、世界的に普及した大きな市場がターゲットになります。スマートフォンは、国内だけでなく全世界で普及が進む巨大な市場。しかもスマートフォンには電子決済も可能な個人情報も含まれています。結果、ネット犯罪のターゲットとして標的となると言うわけです。これらのウイルスやフィッシング対策はパソコン同様の対策が有効で、各セキュリティソフトベンダーもいち早くセキュリティ対策アプリの提供を開始しています(参考:Androidマーケット「セキュリティ」カテゴリ)。
こうしたセキュリティアプリの提供は始まったばかりということもあり、効果にはバラツキもあります。そもそもパソコンほどメモリや記憶容量が多くないスマートフォンでは、パソコンほど強固なセキュリティ管理は個々の端末では難しいとも言われています。
そこでNTTドコモでは、インターネットサービスとしてセキュリティサービスをクラウド化して「ドコモ あんしんスキャン」として提供しています。NTTドコモ側で最新のセキュリティ環境を維持し、端末を最新の情報で検査できるようにしています。ソフトバンクでも有料ながら、「スマートセキュリティ powered by McAfee」として同じサービスを提供しています。
NTTドコモのようなサービスの利点は、端末に大きなアプリをインストールしなくてもよいので端末の負荷にならず、スマートフォンの動作安定も確保できるところです。今後は、ローカルにインストールするセキュリティアプリだけでなく、こうしたスマートフォンに適したネットサービス的なセキュリティサービスに期待したいところです。
さらにアプリやサービスで端末を守るだけではなく、ユーザー自身もメールでの添付ファイル、怪しいサイトへのアクセスに気をつけるなど、パソコン同様の注意を払う必要があります。
次のページでは、スパム・迷惑メール対策について解説します。